「和風」「 和もの 」ってなに?──“国産”をあえてそう呼ぶ理由

こんにちは、阿久梨絵です。
和風カフェ」「和もの雑貨」「和スイーツ」──
どれも“日本のもの”を指しているのに、なぜ「国産」ではなく「和風」「 和もの 」と呼ぶのでしょうか?

たとえば、フランス製のものを「仏風」とはあまり言いませんし、アメリカ製のものを「米もの」とも言いませんよね。
それなのに、日本のものだけが「和風」「 和もの 」と、ちょっと詩的に、あるいは情緒的に呼ばれるのはなぜなのでしょうか?

「和」という言葉のルーツ

「和」という漢字は、もともと中国で日本を指す言葉「倭(わ)」に由来しています。
奈良時代以降、「倭」は「和」へと置き換えられ、「和国」「和人」「和歌」など、日本に関する言葉として定着していきました。

「和」には“調和”や“穏やかさ”といった意味も含まれており、単なる地理的な「日本製」以上に、日本らしい美意識や価値観を含んだ言葉として使われるようになったのです。

「国産」と「和もの」はどう違う?

用語ニュアンス
国産製造地や原産地を示す事実ベースの表現国産牛、国産車、国産ワインなど
和もの日本的な様式・美意識・文化を含む表現和もの雑貨、和ものアクセサリー、和ものアニメなど

つまり、「国産」は“どこで作られたか”を示すのに対し、「和もの」は“どんな雰囲気か”“どんな文化的背景があるか”を含んでいるのです。

「和もの」は“ブランド”である

和もの」という言葉には、どこか温かみや懐かしさ、丁寧な手仕事のイメージがついて回ります。
それは単なる製品ではなく、“物語”や“世界観”をまとった存在として、消費者の心に響くからです。

たとえば、同じ湯呑みでも「国産の陶器」と言うより「和ものの湯呑み」と言ったほうが、どこか趣があり、贈り物にもぴったりな印象を与えますよね。

まとめ

「和風」「 和もの 」という言葉は、単なる国籍を超えて、日本らしさを表現する“文化のラベル”です。
それは、素材や製法だけでなく、空気感や価値観までも含んだ、言葉のデザイン

だからこそ、私たちは「国産」ではなく「 和もの 」と呼ぶのかもしれません。
そこには、“日本らしさ”を大切にしたいという、静かな誇りが込められているのです。
阿久梨絵でした!

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