こんにちは、阿久梨絵です!
IT業界や日常の作業でよく陥る「 ヤクの毛刈り (Yak Shaving)」という概念をご存じでしょうか?
これは、一つのタスクを始めたはずなのに、次々と別の準備が必要となり、本来の目的からどんどん遠ざかってしまう状況を指します。本記事では、その由来や具体的な事例、回避するための方法を解説します。
ヤクの毛刈りの由来
「Yak Shaving」という表現は、MITメディアラボで生まれました。
このフレーズは、まるでヤク(チベットに生息する牛の仲間)の毛刈りをするかのように、本来の目的とは別の細かい準備や作業に時間を取られ、気づけば別のことをしている状態を比喩的に表しています。
例えば、「プレゼン資料を作成しよう」と思ったのに、
1. フォントが気になる → 新しいフォントをダウンロード
2. ダウンロードしたフォントの使い方を調べる
3. 使い方を試すためにサンプルスライドを作成
4. 気づけばプレゼンの本題そっちのけでデザインの調整に没頭……
このように、最初にやりたかったことからどんどん離れてしまうのが「ヤクの毛刈り」です。
IT業界におけるヤクの毛刈りの例
IT関連の仕事では、この現象が頻繁に発生します。
特にプログラミングやシステム管理の現場でよく見られます。
① 開発環境の整備が終わらない
「新しいコードを書くぞ!」→ でも、その前に…
・ライブラリのバージョンが古いのでアップデート
・アップデートしたらエラー発生 → 解決策を検索
・追加の設定が必要と判明 → 設定ファイルを修正
・気づけばコードを書く前に数時間経過……
② サーバー設定が終わらない
「サイトを公開しよう!」→ でも、その前に…
・サーバーの設定を確認
・設定を変更したらSSL証明書が必要と判明
・証明書の取得方法を調べる
・他のセキュリティ問題も気になり始める
・結果、サイト公開は後回しに……
ヤクの毛刈りを防ぐための対策
このような「目的から逸れてしまう問題」を防ぐには、いくつかのコツがあります。
ゴールを明確にする
最初に「何のために作業をしているのか?」を確認し、目的を忘れないようにする。
優先順位を決める
「今やるべきこと」と「後でやってもいいこと」を明確に分け、作業を整理する。
タスクを分割する
作業を細かく分けて、完了できる小さな単位で進める。
一定時間ごとに作業を振り返る
「いま、本来の目的に向かって進んでいるか?」を定期的に確認する。
まとめ
「 ヤクの毛刈り 」は、IT業界や日常生活でよく起こる現象です。
何かを始めたのに、気づけば別のことに没頭してしまう……そんな迷走を防ぐためには、ゴールを意識し、作業の優先順位を明確にすることが大切です。
次に作業をするとき、「これはヤクの毛刈りになっていないか?」と考えてみると、より効率的に進められるかもしれません!
阿久梨絵でした!