こんにちは、阿久梨絵です!
スマホやPCで当たり前のように目にしている“ アイコン ”──
ホームボタン、ゴミ箱マーク、ハンバーガーメニュー…
でもふと思いませんか?
そもそも「アイコン」って、いつから“絵”になったんだろう?
今回は「アイコン=小さな絵」が成立するまでのUI史を、
技術と文化の視点からひも解いてみましょう。
そもそも「アイコン」とは?
・語源はギリシャ語の“eikon(像、イメージ)”
・宗教画や記号として使われてきた歴史があり、「象徴・図像」という意味がある
・現代UIでは“機能を視覚で伝える小さなグラフィック”を指す
UIアイコンの歴史をざっくりたどると…
時期 | 進化のステップ | 主な例・特徴 |
---|---|---|
1970年代 | 文字ベースのコンピュータ | コマンド入力方式、アイコンなし |
1981年〜 | Apple Lisa による「GUI+アイコン」登場 | ゴミ箱・ファイル・プリンターなどのピクト化 |
1984年〜 | Macintoshで「白黒ビットマップの絵アイコン」が定着 | Susan Kareによる初期アイコンデザイン |
1990年代 | Windows95で“デスクトップメタファー”が浸透 | アイコンが3D化、シャドウ付きになる |
2000年代〜 | Web・モバイル化によりSVGやアイコンフォント登場 | 視認性・軽量性を意識したベクター形式へ |
2010年代以降 | フラットデザインとミニマルUIの流行 | 抽象度が高まり、意味の共有が前提に |
なぜ「絵」である必要があるの?
・言語に依存しない=グローバル対応しやすい
・直感的に伝わる=認知負荷が下がる
・UIのサイズ縮小に耐える=省スペースに強い
ただし、抽象的すぎると…
“このアイコン、何の意味だっけ…?”
という“認識のズレ”が起きることも
アイコン進化の“裏テーマ”は「メタファーと省略」
・ゴミ箱=「不要なものを捨てる」
・家マーク=「ホーム画面」
・時計=「履歴/時間管理」など
本来の機能を“生活にある物”に置き換える比喩=メタファー
そしてそれを“シンプルな線と面”に落とし込む=省略
この「意味の再構築」が、優れたアイコンデザインの核とも言えます。
まとめ
アイコンは、単なる飾りではなく、
ユーザーと機能をつなぐ“小さなことば”です。
“認識できるけど邪魔しない”、
“意味を伝えるけど複雑じゃない”。
そんな絶妙なバランスを生み出してきた、アイコンの進化──
その背後には、UI設計者とデザイナーの思考の歴史があります。
次にその“絵”を見るとき、
少しだけ「それはなぜその形なのか?」を感じてみてください。
阿久梨絵でした!