iPhone の“設定”という言葉がUX的に曖昧な理由

こんにちは、阿久梨絵です。
iPhone を使っていて、「設定ってどこまでが設定?」「設定って何を指してるの?」──そんな違和感、ありませんか?

「設定」という言葉は、便利なようでいて、UX的にはとても曖昧です。
今回は、iPhoneにおける“設定”という言葉の曖昧さと、それが生むUX上のモヤモヤを整理してみます。

「設定」という言葉が持つ曖昧さ

1. 範囲が広すぎる

通知、画面表示、パスコード、Wi-Fi、Apple ID…
・すべて「設定」に含まれるが、ユーザーの頭の中では別カテゴリ

“設定”という言葉が、構造をぼかしてしまう

2. 意図と結果がつながりにくい

・「設定を変えたのに、何も変わらない
・逆に「知らないうちに設定が変わっていた
→ こうした体験は、“設定=安心”という感覚を揺るがす

UXにおいて“設定”は、操作ではなく“信頼の再構築”であるべき

3. 表示と操作の距離がある

「設定」アプリと、各アプリ内の「設定」が分離している
たとえば通知設定は、iPhone全体とアプリ個別で別々に存在
→ ユーザーは「どっちが本物?」と迷う

“設定”が一元化されていないと、UXは分断される。

4. 言葉の意味が抽象的すぎる

・「設定してください」「設定を確認してください」──何をどうすればいいのか曖昧
特に初心者にとっては、“設定”という言葉自体が不安の源

“設定”という言葉が、安心ではなく“わからなさ”を生む瞬間がある。

UX的に“設定”を明確にするヒント

1. 設定項目を“目的別”に並べる

「安心」「通知」「表示」「プライバシー」など、感情や目的に沿った分類
・技術的なカテゴリではなく、使う人の気持ちに寄り添った構造

2. 設定の“影響範囲”を明示する

・「この設定は、〇〇アプリ全体に影響します」など、結果が見える設計
・「変更後は再起動が必要です」など、予測可能性を高める

3. “設定”という言葉を減らす

・「通知の調整」「画面の明るさを変える」など、具体的な動詞で置き換える
・「設定してください」ではなく、「〇〇をONにすると、こうなります

UXにおいて“言葉の設計”は、安心の設計でもある。

まとめ

iPhone の「設定」という言葉は、
便利なようでいて、UX的には曖昧で不安を生みやすい言葉です。

「設定=安心」ではなく、
設定=わからないことが起きる場所」になってしまうと、
ユーザーは操作に対して不信感を抱きます。

だからこそ、“設定”という言葉の使い方や構造を見直すことが、
UXの安心を再設計する第一歩になるのです。
阿久梨絵でした!

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