こんにちは、阿久梨絵です!
ソフトウェア開発の世界には、「Schrödinbug( シュレディンバグ )」というユニークな用語があります。
これは、「コードを読んでいる間は問題なさそうなのに、実際に動かすとバグが発生する現象」を指します。
この言葉は、物理学の「シュレディンガーの猫」に由来しています。
量子力学の有名な思考実験では、箱の中の猫が生死のどちらの状態であるかは、箱を開けるまで確定しないと説明されます。
シュレディンバグ も同様に、コードを読むだけではバグがあるかどうかわからず、実行して初めて問題が発覚するという現象を表しています。
シュレディンバグの特徴
このバグは、開発者が「コードを確認した限りでは正しそう」と思っていても、実行すると予期しない動作をする点が特徴です。
主な原因として、以下のようなものがあります。
未初期化の変数
コード上では問題なさそうだが、実際に動かすと未定義の値が使われてしまい、バグが発生する。
隠れた依存関係
関数間の依存関係が表面的には分かりにくく、実行時になってようやく問題が発生する。
環境による影響
異なるシステム環境や設定で動作した際に、コードが想定通りに動かなくなる。
動的データの扱い
コードの構造が問題なくても、実行時のデータによって異常が発生することがある。
シュレディンバグの実際のケース
この現象は、さまざまな場面で発生します。例えば、以下のようなケースが典型例です。
① コードレビューでは問題なし、実行するとエラー
開発者A:「このコード、問題ないですね!」
開発者B:「じゃあ動かしてみますね…あれ、クラッシュした!?」
② テスト環境では動作するが、本番環境でバグ発生
開発者:「このコード、ローカルでは問題なし!」
運用担当:「でも本番環境だと例外が出てるぞ?」
③ 変数の未定義問題
コードを見たときは正しく見えるが、変数が未定義のため実行するとエラーが発生する。
シュレディンバグを防ぐための対策
シュレディンバグの発生を避けるには、以下のポイントを意識することが重要です。
静的解析を活用する
Lintツールや型チェックを使い、コードを実行する前に潜在的な問題を検出する。
ユニットテストを徹底する
コードの挙動を検証し、実行時の問題を未然に防ぐ。
本番環境に近い条件でテストを行う
ローカル環境だけでなく、実際の運用環境でのテストを行い、予期しない問題を発見する。
ログを活用して動作を追跡する
実行時の状態を細かく記録し、異常が発生した箇所を特定しやすくする。
まとめ
シュレディンバグは、「コードを読むだけでは問題が分からず、実際に動かして初めてバグが発覚する」という現象を指します。
その発生を防ぐためには、事前のテストと詳細なデバッグが不可欠です。
次に「見た目は問題なさそうなのに、動かすとバグる…」という状況に遭遇したら、それはシュレディンバグかもしれません!
阿久梨絵でした!