「部下の名前がわからない」 組織 が抱える“見えないリスク”とは

こんにちは、阿久梨絵です。
最近、ある企業の中間管理職の方からこんな悩みを聞きました。

合併後、部下が20人以上増えたけど、正直名前も全然わからない
何をしているのか聞いても“Slackでやってます”と返ってくる
自分が本当に“マネジメント”できているのか不安になる

この状況、 組織 として健全だと思いますか?

今回は「大きくなったからこそ壊れていく組織の“見えないほころび”」について、企業合併・成長局面によくある課題と、その対策を考えていきます。

合併・急成長企業にありがちな“見えなくなる症状”

症状背景・要因
部下の顔と名前が一致しない離れた拠点・リモート化・人数爆増で接点が希薄に
部下の仕事内容がわからない各人が“専任タスク”を持ち、クロスレビュー文化が育たない
1on1が形骸化している頻度が追いつかず、雑談 or レポート確認だけになる
評価と承認が表面的になる「何をしたか」よりも「誰に見せたか」で評価される構図

なぜこの状態が“おかしい”のか?

・人間の上限を超えているのに「管理できる」と錯覚している
1人で30人の実務把握は無理。それでもマネージャー制度は変えない
仕組みだけが拡張され、“関係性”は置き去りにされる
・組織図・業務フローは整理されても、「信頼」と「つながり」は作られない
・成果の質ではなく“自走感”だけが評価される
・結果的に、相談が生まれにくい“縦の断絶”が起きやすくなる

じゃあ、どうすればいいのか?

① 「人を知らない状態は“リスク”」と捉え直す

属人的な作業が多いほど、「誰が何をやっているか」はリスク管理
・名前・業務・関心ごとを最低限押さえるためのライトプロフィール共有文化が有効

② “報告”より“雑談”が生む信頼の場を作る

・Slackの雑談チャンネル、定例会の「最近気づいたこと共有」など
→ 「表情の見える情報」が、信頼構築の最短ルート

③ 合併時の“文化統合”こそ真のマネジメント

・企業文化は「言語・価値観・判断軸」に宿る
認識が違うまま評価制度だけ統一すると混乱する
・ワークショップ型で「うちの判断軸って何?」を再構築するのも有効

まとめ

人が多いから仕方ない」ではなく、
人が多いからこそ丁寧に見える化する」が、健全な組織の姿です。

組織 が拡大していく過程でこそ、“つながりのデザイン”は不可欠な戦略資産です。
名前を覚えることも、仕事内容を聞くことも、評価軸をすり合わせることも──
すべてが、見えない“企業の体温”を取り戻すことにつながっていきます。
阿久梨絵でした!

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