こんにちは、阿久梨絵です!
ログイン画面や会員登録フォームなどでよく見かける、この小さなチェックボックス
□ パスワードを表示する
「なんでこれ、付いてるんだろう?」
「見えるようにしたら、セキュリティ的にマズくないの?」
今回はそんな「パスワード表示機能」の意図と、可視性・UX・セキュリティの設計バランスについてやさしく解説してみます。
そもそも、なぜ“非表示”がデフォルトなのか?
パスワード欄は、基本的に●●●●●と“伏せ字”で表示されます。
これはその昔、「背後からのぞかれることへの配慮」から始まったUIルール。
つまり
・スクリーンショルダー攻撃(Shoulder Surfing)を防ぐため
・公共の場でも打ちやすくするため
といった視覚的セキュリティのための設計です。
“パスワードを表示”機能が導入された理由
時代が進むにつれ、ログイン画面がより複雑なパスワード入力を要求するようになり、次のような問題が浮かび上がってきました。
・入力ミスしたときに気づきにくい
・2回入力欄(再確認)が“コピペで突破”されて形骸化
・モバイル端末ではフリックミスや打ち間違いが起きやすい
この“使いづらさ”への対策として登場したのが、「パスワードを表示」機能です。
セキュリティ vs ユーザビリティのトレードオフ
この機能は、実はセキュリティ設計の世界でも長く議論されてきた論点です。
表示するメリット | 表示するリスク |
---|---|
入力ミスにすぐ気づける | 覗き見のリスクが上がる |
フォーム入力のストレスが減る | 公共端末では危険性が増す |
特に高齢者・非IT層にやさしい | “見えてる状態”にユーザーが慣れてしまう恐れ |
つまり、「ユーザー体験を良くすることが、セキュリティ的に“甘い顔”になるかもしれない」――そんな二律背反が常にあります。
UXとしての配慮ポイント
この機能が実装される際には、次のような配慮が行われています。
・初期は非表示 → ユーザーが“明示的に操作”したときだけ可視化
・“目のマーク”など視認性の高いアイコンで設置
・モバイルアプリでは一定時間で自動的に再非表示に戻す仕様も
つまり、「表示させる自由はあるけど、責任もついてくる」という自己判断型UIとして設計されているんです。
まとめ
“見えない=安全”という時代から、
“ちゃんと入力できている安心感”や“使えるインターフェースであること”が重視されるようになりました。
もちろん、安易にパスワードを見せるだけでは意味がありません。
それでも、ユーザー側に選ばせる・判断させるUIは、“信頼される設計”の一歩なのかもしれません。
パスワード を表示するか、しないか――
その小さなチェックボックスには、たくさんの議論と設計思想が詰まっているのです。
阿久梨絵でした!