こんにちは、阿久梨絵です!
「また新人が辞めた」
「いつまで経っても一人前にならない」
「教えてるつもりなのに、伝わっていない」
──そんな声が現場から聞こえてきたとき、問題は本当に“本人のやる気”や“適性のなさ”だけでしょうか?
実はその背景にあるのが、育成制度と現場文化のズレです。
今回は、新人が育たない 組織 に共通する構造的な課題と、育成を再現可能な仕組みに変える方法を考察します。
新人が育たない組織に共通する“構造的なズレ”
1. 育成が属人化している
・教える人によって内容・順序・スタンスがバラバラ
・「教えるのが得意な人」に負荷が集中し、他の人は育成から逃れる
・引き継ぎが不完全で、育成の再現性がない
2. OJTが“丸投げ”になっている
・「実務の中で学ばせる」つもりが、実際は放置
・忙しさを理由に、フィードバックや確認が後回し
・OJTが“育成”ではなく“業務振り分け”になっている
3. マニュアルが“使われない”
・情報が古い、探しづらい、読みにくい
・実務と紐づいていないため、現場で活用されない
・「作って満足」で終わっている
4. 教える文化が育っていない
・育成が“善意”扱いで、評価や報酬に反映されない
・教えた人にフィードバックが届かない
・成功体験が共有されず、学び合いが生まれない
育成制度と現場文化のズレを埋める3つのアプローチ
1. 教える側の標準化──OJTの“型”をつくる
・どんなタスクをどの順で経験させるか
・何を理解していれば合格ラインか
・どのタイミングでフィードバックするか
これらをチェックリスト化し、誰が教えても一定レベルで育成できる状態を目指します。
属人化を防ぎ、育成の再現性を高める第一歩です。
2. 学ぶ側の自立支援──“いつでも学べる環境”を整える
・動画・eラーニングなどのオンデマンド研修
・よくある質問や業務ナレッジの蓄積(社内Wiki、Notionなど)
・学習進捗の見える化
「誰に聞けばいいか分からない」「忙しそうで声をかけづらい」といった不安を軽減し、育成の主導権を新人自身に委ねる設計が定着を加速させます。
3. 組織全体で“教える文化”を育てる
・育成活動にインセンティブをつける(評価制度に組み込む)
・教えた人にもフィードバックが届く仕組みをつくる
・成功体験を共有し、学び合いを促す
「教えることが当たり前」な文化を育てることで、
育成が一部の人の善意ではなく、組織の仕組みとして機能するようになります。
まとめ
新人が育たないのは、個人の問題ではなく、育つ構造が整っていないことの結果かもしれません。
制度だけでも、文化だけでも、育成は機能しません。
両者を同期させることで、初めて“育てられる 組織 ”が生まれます。
育成は、未来への投資です。
その投資が回収されるかどうかは、仕組みと文化の設計次第。
阿久梨絵でした!
