こんにちは、阿久梨絵です!
Thunderbird で作成したメールフィルター、別のパソコンでもそのまま使いたいと思ったことはありませんか?
実は、フィルター設定はアカウントごとに保存されていて、IMAPとPOPの違いによって格納場所が変わるんです。
この記事では、Thunderbird のフィルター設定を別PCに移植する手順と、IMAP・POPの違いによる保存場所の違いをわかりやすく解説します!
IMAPとPOPの役割をおさらい
| プロトコル | 役割 | 保存対象 | フィルター設定との関係 |
|---|---|---|---|
| IMAP | メールの受信 | サーバー上 | フィルターはローカルに保存 |
| POP | メールの受信 | ローカルPC上 | フィルターはローカルに保存 |
| SMTP | メールの送信 | サーバー上 | フィルターとは無関係(送信専用) |
Thunderbirdのメールフィルターは「受信メール」に対して動作するため、IMAPやPOPの保存先が重要になります。
フィルター設定ファイルの保存場所
Thunderbirdでは、メールアカウントごとにフィルター設定ファイル msgFilterRules.dat が保存されます。
接続方式(IMAP または POP)によって、保存先フォルダが異なります。
IMAP接続の場合
Thunderbird/
└── Profiles/
└── xxxxx.default/
└── ImapMail/
└── imap.example.com/
└── msgFilterRules.dat ← フィルター設定ファイル
POP接続の場合(+SMTP送信)
Thunderbird/
└── Profiles/
└── xxxxx.default/
└── Mail/
├── pop.example.com/
│ └── msgFilterRules.dat ← フィルター設定ファイル
└── Local Folders/
※SMTPは送信専用プロトコルのため、フィルター設定ファイルはSMTPの設定フォルダには存在しません。
フィルター設定を別PCに移植する手順
手順①:元PCでフィルター設定ファイルを探す
1. Thunderbirdを開きます。
※以下手順は、IMAP接続を採用しています。
2. 「メニュー」 → 「ヘルプ」 → 「トラブルシューティング情報」

3. 「プロファイルフォルダー」欄の「フォルダーを開く」をクリック
4. ImapMail または Mail フォルダを開く

5.該当するアカウントフォルダを開きます。作成順に番号が採番されています。
6. msgFilterRules.dat をコピーします。

手順②:新PCにファイルを移植する
1. 新PCのThunderbirdを起動し、同じメールアカウントを設定します。
2. 同様にプロファイルフォルダーを開きます。
3. 対応するアカウントフォルダに msgFilterRules.dat (手順①のファイル)を上書きコピーします。
4. Thunderbirdを再起動してフィルターが反映されているか確認します。
注意点
・アカウントごとに msgFilterRules.dat は別々に存在します
・同じドメインでもメールアドレスが異なれば、フォルダ名も異なります(例:imap.example.com-1)
・フィルター設定はThunderbirdのローカル環境に依存しており、IMAPでも自動同期されません
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フィルター設定の保存場所 | msgFilterRules.dat(アカウントごと) |
| IMAP接続 | ImapMail フォルダ内に保存 |
| POP接続 | Mail フォルダ内に保存 |
| SMTP | 送信専用のため、フィルター設定とは無関係 |
| 移植方法 | 対象アカウントの msgFilterRules.dat を手動でコピー・上書き |
Thunderbird のフィルター設定は、アカウント単位でローカル保存されているため、IMAPでも自動では引き継がれません。
別PCに移植したい場合は、正しいフォルダを見極めて msgFilterRules.dat をコピーすることがポイントです。
阿久梨絵でした!
