こんにちは、阿久梨絵です!
今回は、 iPhone でモバイル通信(4G/5G)を使っているときに割り当てられるグローバルIPアドレスの仕組みについて、技術的な視点も交えて解説します。
「IPアドレスってDHCPで割り当てられるんじゃないの?」と思った方、実はモバイル通信ではちょっと違うんです。
IPアドレスの基本
まず、IPアドレスには大きく分けて2種類あります。
種類 | 役割 | 例 |
---|---|---|
プライベートIP | ローカルネットワーク内での識別 | 192.168.0.1 など |
グローバルIP | インターネット上での識別 | 126.XX.XX.XX など |
Wi-Fi接続時はルーターがグローバルIPを持ち、iPhoneにはプライベートIPが割り当てられます。
一方、モバイル通信時は通信キャリアがグローバルIPを割り当てる仕組みです。
モバイル通信時のグローバルIPの採番方法
iPhoneがモバイル通信を使うと、通信キャリア(例:NTTドコモ、au、楽天モバイルなど)が基地局経由でIPアドレスを動的に割り当てます。
採番の特徴
・通信キャリアのコアネットワーク側で動的に割り当て
・NAT(Network Address Translation)を通じて、複数ユーザーが1つのグローバルIPを共有することもある
・MVNO(格安SIM)では、プライベートIP+NAPT構成が主流(例:OCNモバイルONE)
・楽天モバイルなど一部キャリアでは、予約済みIP(例:192.0.0.2)が割り当てられるケースも
DHCPではない?モバイル通信のIP割り当ての仕組み
ここが今回のポイントです。
モバイル通信では、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は使われていません。
代わりに使われているのが、携帯ネットワーク特有の仕組みです。
要素 | 役割 |
---|---|
PDPコンテキスト | モバイル端末とコアネットワーク間の通信セッション |
GGSN(3G)/PGW(LTE/5G) | インターネットとのゲートウェイ。IPアドレスを割り当てる |
この仕組みでは、iPhoneがモバイルネットワークに接続するときにPDPコンテキストが確立され、PGWがIPアドレスを割り当てるという流れになります。
つまり、DHCPに似た動的割り当てではありますが、プロトコルとしては別物です。
iPhoneでグローバルIPを確認する方法
iPhoneの設定画面では直接グローバルIPは表示されませんが、以下の方法で確認できます。
方法①:Webサービスを使う
・Safariで「確認くん」などのIP確認サイトにアクセス
・表示されたIPが、現在のグローバルIP
方法②:ショートカットアプリを使う(iOS標準)
1. 「ショートカット」アプリを開く
2. 新規ショートカットを作成
3. 「現在のIPアドレスを取得」を選択します。
4. 実行(▶)すると、グローバルIPが表示される
まとめ
・ iPhone のモバイル通信では、DHCPではなくキャリアのコアネットワークがIPを割り当てる
・仕組みは「PDPコンテキスト+PGW/GGSN」による動的割り当て
・MVNOやキャリアによって、グローバルIPが割り当てられるかどうかは異なる
・IPアドレスの仕組みを理解しておくと、VPN接続やセキュリティ対策にも役立つ!
この仕組みはAndroidでも同様です。モバイル通信のIP割り当ては、OSよりもキャリアのネットワーク構成に依存します。
阿久梨絵でした!