こんにちは、阿久梨絵です！
プロジェクトを進めるうえで、最初は明確に定義されていたはずの範囲が、途中から拡張されてしまい、管理が難しくなることがあります。
この現象を 「Scope Creep（ スコープクリープ ）」 と呼びます。
例えば、こんな状況が典型例です。
・クライアントから「この機能も追加してほしい」と次々に要望が増える
・本来の目的を達成する前に、関係のない課題が増えていく
・仕様変更が重なり、納期や予算がどんどん厳しくなる
このような状態になると、チームは過剰な負担を強いられ、最終的にプロジェクトが破綻するリスクが高まります。
本記事では、「Scope Creep」の原因と、それを防ぐための具体的な戦略を解説します。
「Scope Creep」とは？
「Scope Creep（スコープクリープ）」とは、プロジェクトの範囲（スコープ）が当初の計画から逸脱し、次々と新しい要件が追加される現象を指します。
結果として、プロジェクトの予算、納期、リソースが圧迫され、計画のコントロールが困難になります。
この問題は、多くの場合 クライアントの追加要求や内部の仕様変更によって発生します。
しかし、時にはチーム内での 「せっかくならこれもやろう！」 という気持ちが、予期せぬ範囲拡大を引き起こすこともあります。
なぜ「Scope Creep」が発生するのか？
この問題が起こる主な原因は3つに分類できます。
① クライアントの追加要求が止まらない
プロジェクト開始時に明確な仕様が固まっていない場合、「これも追加でやってほしい」 という要望が次々と出てくることがあります。
「小さい変更だから大丈夫」と思い対応しているうちに、範囲が広がり続けてしまう。
② チーム内での仕様変更
開発が進むにつれ、「この機能を追加したほうがいいのでは？」と議論が広がり、結果的に新しいタスクが増えていくことがあります。
これは技術的な改善をしたいというポジティブな意図 から生まれるものですが、プロジェクトのバランスを崩す原因にもなります。
③ 明確なスコープ管理ができていない
最初の計画段階で、どこまでやるのか？何を含めないのか？ が明確になっていないと、後からどんどん新しい要件が追加されてしまう。
「Scope Creep」を防ぐための戦略
プロジェクトを健全に進めるためには、以下の対策が不可欠です。
明確なスコープ定義を行う
・プロジェクト開始時に 「何をやるか」だけでなく「何をやらないか」 も明確にし、文書化する。
・変更が必要な場合は、正式なレビューを経て、影響を評価するプロセスを設ける。
変更管理プロセスを確立する
・「小さな変更だからすぐ対応」といった判断を避けるため、正式な変更リクエスト（CR） を導入し、影響を分析した上で決定する。
クライアントとの期待値を管理する
・最初の段階で「追加要件には別途調整が必要」など、明確なルールを伝えておく。
・「ちょっとした追加」でも、コスト・納期に影響することを認識してもらうことが重要。
開発チーム内の合意形成を強化する
・「この機能も追加したい」という意見が出ても、プロジェクトの優先順位に影響がないかを冷静に判断する。
・全員がスコープ管理の重要性を理解していることが理想的。
定期的なスコープチェックを行う
・進行中のプロジェクトのスコープが拡大していないか、定期的なレビューを行い、軌道修正 する。
まとめ
「Scope Creep（スコープクリープ）」は、プロジェクトの範囲が次々と拡張され、計画から逸脱してしまう現象を指します。
これを防ぐためには、明確なスコープ定義、変更管理の徹底、クライアントとの期待値調整が重要です。
成功するプロジェクトを運営するには、「この変更、本当に必要か？」と常に問い続ける習慣 が不可欠です。
次回プロジェクトを進める際は、「今のスコープ、膨らみすぎていないか？」と冷静にチェックしましょう！
阿久梨絵でした！
