あの一瞬、なんで反応しない? Suica と読み取りエラーの裏側

こんにちは、阿久梨絵です!
改札を Suica で通ろうとして…「ピッ」と鳴らない
一瞬止まって、引き返して、もう一度タッチ

…えっ、今ちゃんとかざしたのに
なんで反応しないの⁉

この現象、実は Suica や交通系ICカードに特有の“ある設計のせい”で起きています。
今回は、日常に潜む“あの一瞬のストレス”の正体を、NFC通信とリーダー側の視点から解説します。

NFCの仕組み:Suicaは“非接触だけど通信している”

Suicaの読み取りには、「NFC(近距離無線通信)」という技術が使われています。
正確には「NFC-F」という規格で、

改札やレジのリーダーから電波(13.56MHz)が発信され
Suica側(ICチップ)がその電波で起動&応答
0.1秒〜0.3秒の間で相互認証&残高などの情報やりとりを行っています

つまり、「かざせば即反応」ではなく、“一定時間・一定距離内で通信成立が必要”ということなんです。

“一瞬だけかざす”と失敗する理由

読み取りに失敗するよくある原因はこちら

通過速度が速すぎる(通信前に離れてしまう)

・Suicaが通信する前に、手が動いてNFCゾーンから外れてしまうケース

かざした位置がずれている

・特にスマホ(モバイルSuica)は、NFCアンテナの位置が機種によって違うため、“どこをかざすか”で反応速度が変わります

他のICカードと重ねている

財布やカードケースに複数のICカード(例:Suicaと社員証)が入っていて、NFCリーダーが混乱して通信失敗

電波干渉やリーダー側の遅延

混雑時やリーダーのメンテ状況によっても、通信開始までの“立ち上がり”が遅れることがあります。

改札の設計も、あの“間”と戦っている

駅の改札リーダーは、

通信時間を極限まで短くするため、独自プロトコルで高速化(例:FeliCaを0.1秒で処理)
認証OK/NGを音・光・ゲート反応で即時フィードバック
複数人の動線と反応タイミングを分離するため、“0.1秒のズレ”にも耐える工夫が施されている

つまり、“ピッ”を保証するために、限界までチューニングされた空間なのです。

「うまく反応しない…」ときの対処法

1. 機器の“読み取り位置”を事前に確認(特にスマホ
2. Suica単体でかざす/干渉しやすいカードは別にする
3. 端末や手を“止める”動作を一瞬入れる(スッ…じゃなくピタッ

また、“あえて”反応が悪くなる場面(例:スキミング防止/複数認証回避など)もあるので、完璧な一発反応を想定しすぎない方がストレスは減るかもしれません。

まとめ

たった0.2秒。されど0.2秒。
そのあいだに、

認証データの確認
チップとの応答タイミング
リーダーと回路の電波同期

…といった小さな通信のドラマが起こっていると思うと、
「ピッ」と鳴らなかった理由にも、ちょっとだけ優しくなれるかもしれません。
阿久梨絵でした!

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