セルフレジ が“不便”に見えるワケ―UI設計の深い理由

こんにちは、阿久梨絵です。
セルフレジ を使っていて、こんなことを感じたことはありませんか?

取り消しボタンがないの、不便じゃない?
同じ商品を連続でスキャンしたら警告音が鳴った…
袋詰めが別台なの、なんで?

実はこれらの“ちょっと不便”な仕様、すべてに理由があります。
今回は、セルフレジのUI設計に隠された防犯とユーザー体験のバランスについて掘り下げてみます。

1. 商品スキャン後、袋詰めは“別台”で行う理由

セルフレジでは、スキャン台と袋詰め台が分かれていることが多いですよね。
これは「スキャン済み」と「未スキャン」の商品を明確に分けるための設計です。

スキャン前の商品 → カゴの中
スキャン済みの商品 → 袋詰め台へ移動

この動線を分けることで、スキャン漏れや万引きのリスクを減らすことができます。
また、重量センサーで商品移動を検知する仕組みもあり、袋詰め台が別になっていることで精度が上がるのです。

2. 取り消しボタンが“ない”のはなぜ?

間違ってスキャンしたとき、取り消せないの不便…」と思うかもしれません。
でも実は、あえて“取り消しボタンを設けない”ことで、不正操作を防いでいるんです。

・取り消し操作を自由にできると、スキャン後に取り消して商品を持ち帰るといった不正が可能に
店員呼び出しが必要なことで、“記録が残る”&“心理的抑止力”が働く

つまり、「不便=セキュリティ」という設計思想なんですね。

3. 同一商品を連続スキャンすると“警告音”が鳴る理由

たとえば、同じお菓子を3個買うときに「ピッ、ピッ、ピッ」と連続でスキャンすると、「ピーッ!」と警告音が鳴ることがあります。

これは、スキャンミスや“二重読み取り”を防ぐためのUX設計です。

同じ商品を高速で連続スキャンすると、1個しか読み取れていないのに3個分スキャンしたように見える
・逆に、3個スキャンしたつもりで1個しか読み取れていないことも

そのため、一定時間内に同一JANコードが連続すると警告を出すことで、
「本当に3個スキャンした?」とユーザーに確認を促しているのです。

まとめ

“不便”に見える仕様背景にある意図
袋詰めが別台スキャン済みと未スキャンの明確な分離/重量センサーの精度向上
取り消しボタンなし不正防止/記録の残る対応で抑止力
同一商品の警告音スキャンミス・二重読み取りの防止

次に セルフレジ を使うとき、
この仕様、実は“人間の行動心理”と“防犯”のバランスでできてるんだな」と思い出してみてください。
“ちょっと不便”の裏には、ちゃんとした設計思想がある。
それを知るだけで、日常のITが少しだけ面白く見えてくるかもしれません。
阿久梨絵でした!

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