C# のアクセス修飾子を理解しよう：privateとpublicの違いと使い方

こんにちは、阿久梨絵です！
C# を学ぶときに欠かせないのが、アクセス修飾子の概念です。特に「private」と「public」は、コードを整理し、セキュリティを確保するうえで非常に重要な役割を果たします。本記事では、それぞれの修飾子の特徴や使い方について解説し、適切な活用方法を紹介します。

1. アクセス修飾子とは？

アクセス修飾子とは、クラスやメンバー（メソッド、プロパティ、フィールドなど）へのアクセス範囲を指定するためのキーワードです。これにより、プログラムのセキュリティや保守性が向上します。

C#でよく使われるアクセス修飾子には、次のものがあります。
・public: どこからでもアクセス可能。
・private: 同じクラス内のみでアクセス可能。
・protected: 派生クラスと同じクラス内からアクセス可能（今回の範囲外）。
・internal: 同じアセンブリ内でアクセス可能。

この記事では、特に「private」と「public」に焦点を当てます。

public は、クラスやメンバーが「どこからでもアクセスできる」状態を意味します。外部のコードからもアクセスできるため、以下のようなケースに適しています。
・共通ライブラリやAPIを設計する際。
・他のクラスやプログラムから利用されることが想定されているメソッドやプロパティ。

public class Calculator
{
public int Add(int a, int b)
{
return a + b;
}
}

上記の場合、Addメソッドは他のクラスから自由に呼び出せます。

Calculator calc = new Calculator();
int result = calc.Add(3, 5); // 結果：8

private は、そのクラス内でのみアクセス可能な状態を意味します。主に以下のようなケースで使われます。
・クラス内部の詳細な処理を隠蔽したいとき。
・外部から直接変更されると困るフィールドやメソッド。

public class BankAccount
{
private decimal balance;

public void Deposit(decimal amount)
{
balance += amount; // クラス内でのみアクセス可能
}

public decimal GetBalance()
{
return balance;
}
}

外部からはbalanceには直接アクセスできず、必ずDepositやGetBalanceを通じて操作します。

BankAccount account = new BankAccount();
account.Deposit(1000m);
decimal currentBalance = account.GetBalance(); // 結果：1000

・public: 外部に公開する必要があるメソッドやプロパティに使用。
・private: クラス内でのみ使われる内部的なデータやロジックに使用。

・不要にpublicを使うと、コードが不安定になることがあります。保守性を高めるために、最小限の公開範囲を守ることが重要です。
・クラスの機能を外部に提供しつつ、内部の詳細を隠す「情報隠蔽」の原則に従うと良いでしょう。

次に、簡単な例を示します。

public class User
{
private string password; // 外部からアクセス不可

public string Name { get; set; } // 外部からアクセス可能

public void SetPassword(string newPassword)
{
password = newPassword; // プロパティを保護
}

public bool ValidatePassword(string inputPassword)
{
return password == inputPassword; // パスワードの検証
}
}

・passwordは直接アクセスできないため、安全性が向上します。
・名前はpublicなプロパティとして公開されています。

C# の「public」と「private」は、コードの安全性と可読性を向上させるために非常に重要です。それぞれの役割と使い方を理解し、適切に活用することで、メンテナンス性の高いプログラムを作成できるようになります。

初心者の方も、これらの修飾子を意識して設計することで、一歩進んだコードを書くことができます。ぜひ試してみてください！
阿久梨絵でした！