こんにちは、阿久梨絵です!
WPS Spreadsheets は「軽い」「無料で使える」というイメージが強いけれど、実際に使ってみると Excel より計算が重く感じる場面があります。
とくに “計算中: 0% のまま固まる” という現象は、WPS の内部エンジンの特徴が大きく関係しています。
この記事では、WPS と Excel の内部エンジンの違いをやさしく整理しながら、なぜ WPS が固まりやすいのか、どう付き合えば快適になるのかをまとめます。
1. 計算エンジンの基本構造の違い
Excel:最適化された「依存関係グラフ」で計算
Excel は長年の改良で、
・どのセルがどのセルに依存しているか
・どこだけ再計算すればよいか
を細かく管理する仕組みが成熟しています。
そのため、2000 行程度の表でも、
必要な部分だけを再計算して高速に処理できます。
WPS:互換性を優先した「広めの再計算」
WPS は Excel 互換を最優先にしているため、
依存関係の解析が Excel ほど細かくありません。
その結果
・1 セル変更 → シート全体を再計算
・COUNTIF / SUMIF / VLOOKUP が多いと一気に重くなる
・揮発性関数があると毎回フル再計算
という動きになりやすい。
2. 揮発性関数の扱いの違い
Excel は揮発性関数(INDIRECT / OFFSET / TODAY など)を
必要最小限のタイミングで再計算します。
一方 WPS は、
揮発性関数があるだけで全体を再計算しがちです。
そのため、
・COUNTIF が 2000 行
・VLOOKUP が 2000 行
・INDIRECT が数カ所
というだけで、計算が 10〜20 秒かかることがあります。
3. Excel 形式ファイルを開くときの「互換処理」
WPS は Excel の .xlsx を開くとき、内部で
独自形式に変換 → 計算 → 表示
というステップを踏みます。
この変換処理が重いと、
・計算中 0% のまま止まる
・入力を受け付けない
・ステータスバーに「◯機能」と表示される
といった現象が起きます。
Excel では発生しない WPS 特有の挙動です。
4. 条件付き書式の負荷が大きい
WPS は条件付き書式の最適化が弱く、
1000 行を超える条件付き書式があると一気に重くなります。
Excel では問題ない量でも、WPS では固まることがあります。
5. マルチスレッド処理の違い
Excel は CPU の複数コアを効率よく使うよう最適化されています。
WPS もマルチスレッド対応ですが、
計算の分割が粗く、CPU を使い切れないことが多いです。
そのため、
「CPU は余っているのに WPS が固まる」
という現象が起きます。
まとめ
・再計算範囲が広い
・揮発性関数に弱い
・COUNTIF / SUMIF / VLOOKUP が多いと急激に重くなる
・Excel ファイルの互換処理が重い
・条件付き書式の最適化が弱い
・マルチスレッド処理が Excel ほど賢くない
つまり、WPS は「軽い」けれど、計算負荷には弱いという性質があります。
WPS を快適に使うための実践的なコツ
計算モードは「手動」にする
→ これだけで作業が止まらなくなる
COUNTIF / SUMIF の範囲を A:A ではなく A1:A2000 に限定
→ 計算量が激減する
INDIRECT / OFFSET を避ける
→ WPS では特に重い
条件付き書式を整理する
→ 1000 行以上に適用されていると危険
シートを分割する
→ 計算対象を小さくすると安定する
WPS と Excel は見た目が似ていますが、
内部エンジンの設計思想がまったく違うため、
同じファイルでも動作が大きく変わります。
WPS は「軽くて便利」だけれど、
計算負荷が高い場面では Excel より固まりやすい。
その性質を知っておくと、
作業中のストレスを大きく減らせます。
阿久梨絵でした!
