こんにちは、阿久梨絵です!
ATM でお金を引き出すとき、画面に表示される「手数料」。
でも、ふと立ち止まると不思議です。
人がいないのに、どうして “手” 数料なんだろう。
窓口で銀行員さんが作業してくれるなら分かります。
でも、ATMは完全に自動。
人の手はどこにもありません。
今日は、この小さな違和感を、そっとほどいてみます。
「手数料」の“手”は、人の手ではなく「てかず」
まず最初にお伝えしたいのは、
手数料の「手」は “手間(てま)” の「手」だということ。
つまり、
手数料とは「てかず料」──作業に必要な“てかず”に対して支払う料金。
・手間がかかる
・手続きが必要
・手をかける
この「手」が語源で、
「作業にかかるコスト」=手数料(=てかず料) という意味になります。
人の手が動いているかどうかは関係ありません。
ここが、言葉の面白いところです。
ATMの「てかず」は、どこにあるのか
ATMは自動化されていますが、
その裏側にはたくさんの“見えないてかず”が積み重なっています。
ATMを設置するためのてかず
・機械本体
・設置工事
・通信回線
24時間動かすためのてかず
・電気代
・ネットワーク維持
・セキュリティ対策
・障害対応
現金を補充するてかず
・警備会社による補充
・残高管理
・偽札チェック
システムの保守というてかず
・バージョンアップ
・障害監視
・セキュリティ更新
これらすべてが、
人の目には見えない「てかず=手数」 です。
だから、ATMでも“手数料(てかず料)”という言葉が使われ続けています。
言葉としては少しズレている。でも、歴史的には自然
「手数料」という言葉は、明治時代から使われている古い言葉です。
当時はすべて人の手で処理していたため、
“手間賃”としての意味が強かった。
その後、
・銀行業務が機械化され
・ATMが普及し
・ネットバンキングが登場しても
言葉だけがそのまま残った。
言葉は、技術よりもゆっくり変わるものなんですね。
「手数料(てかず料)」が残り続ける理由
銀行側にも、言葉を変えない理由があります。
① 利用者が慣れている
新しい言葉に変えると混乱が起きるため。
② 法律・規約で使われている
金融庁の文書や銀行の約款でも「手数料」が標準。
③ “料金”より柔らかい
「ATM利用料金」より
「ATM手数料(てかず料)」のほうが心理的に受け入れやすい。
言葉には、響きのやさしさも大切です。
言葉のズレは、技術が進んだ証拠
ATMに限らず、
技術が進むと「言葉だけが昔のまま」という現象はよくあります。
・「ダイヤルする」
・「切符を切る」
・「電話を切る」
・「巻き戻す」
どれも、もう物理的には存在しない動作です。
それでも言葉は残り続ける。
そこに、ちょっとした“文化の名残”があるのかもしれません。
まとめ
・読み方として正しいのは 「てすうりょう」
・意味として正しいのは 「てかず(手数)」=てかず料
人の手が動いていなくても、
言葉としての「手数料(てかず料)」は、今も自然に使われ続けています。
阿久梨絵でした!
