こんにちは、阿久梨絵です!
病院の 予約システム は、ITの進化がもたらした「効率化」の象徴です。スマホやパソコンから簡単に予約でき、診察の予定を事前に立てられる安心感は、多くの人にとって大きなメリットでしょう。
しかし一方で、その便利さが「今すぐ診てもらいたい人」にとっては壁になることもあります。予約画面に並ぶ“満席”の文字を見た瞬間、体調が悪い人は「もう診てもらえないのか」と感じてしまうかもしれません。ITが整えた仕組みが、逆に人を遠ざけてしまうこともあるのです。
医療は本来、効率だけでは語れない領域です。急患や症状の重さによって優先度が変わり、予定通りに進まないことも多い。だからこそ、予約システムの「便利さ」と「医療の不確実性」の間には、埋めきれないギャップが存在します。今回の体験を通じて、そのギャップが“今つらい人”にどう響いているのかを考えてみたいと思います。
予約画面を見て、あきらめかけた
病院に行こうと思い、まずは公式サイトを確認。
「予約をおすすめします」と書かれていたので、予約画面を開いてみると…2週間先までびっしり。
一瞬、あきらめかけました。でも近隣にここしかない。ダメもとで直接訪問することに。
実際の待ち時間と診察
受付では「1時間待ち」と言われましたが、診察が始まったのは約2時間後。
診てもらえたことには感謝しています。
ただ、予約が埋まっている状況と、実際の待ち時間のギャップに違和感を覚えました。
ITの利便性と“とらえ方”の違い
ITは便利です。予約システムがあることで、事前に予定を立てられる安心感もあります。
でも、見る人によってそのとらえ方はさまざま。
「空きがない=診てもらえない」と感じてしまう人もいれば、
「とりあえず予約しておこう」と思う人もいる。
その“とりあえず”が積み重なると、本当に必要な人が予約できなくなることもあるかもしれません。
鉄板の予約 vs 医療の不確実性
1人15分。そう決めて予約を取っても、医療現場では時間通りに進まないことが多い。
診察内容によって時間が伸びることもあるし、急患が入れば順番も変わる。
鉄板の時間確定型予約は、医療にはなじみにくいのかもしれません。
ファミレス方式という選択肢
そう考えると、ファミレスのような「順番待ち制度」の方が現場に合っているのでは?
今の混雑状況をリアルタイムで見られて、来院した順に案内される。
待ち時間の目安がわかれば、患者側も納得しやすい。
“今つらい人”にとっては、「来てもいいよ」と伝えてくれる仕組みの方が安心できるのではないでしょうか。
ITは“余白”も設計できる
ITは効率を支える道具。
でも、“今つらい人”が相手の場面では、効率だけでは足りません。
例外を許す余白、迷ったときに頼れる人の判断、そして「来てもいいよ」と伝える設計。
そうしたものが、安心につながるのだと思います。
まとめ
病院の 予約システム は、確かに便利です。効率的に診察を進め、患者の予定を整える力があります。けれども医療は、効率だけでは成り立ちません。症状の重さや急患の存在によって、時間の流れは簡単に変わってしまう。だからこそ、ITには「余白」を設計する力が求められます。
「来てもいいよ」と伝える仕組み。混雑状況をリアルタイムで示す工夫。例外を許す柔軟さ。そうした設計があれば、予約システムは“便利な道具”から“安心を届ける仕組み”へと進化できるはずです。
医療の現場に必要なのは、効率と安心の両立。ITはその両方を支える可能性を持っています。だからこそ、予約システムは「便利さ」だけでなく「今つらい人に届く安心感」をどう設計するかが問われているのだと思います。
阿久梨絵でした!
