「ご確認いただけますと幸いです」が不快に聞こえる理由── IT 画面の敬語設計を見直す

こんにちは、阿久梨絵です!
敬語や丁寧語は、相手への思いやりのはず
でも時に、「かえって冷たく感じる」「嫌味っぽく聞こえる」と受け取られてしまうことがあります。
これは日常会話だけでなく、 IT の世界──とくにUXライティングやシステム設計でも起こるすれ違いです。

今回は、丁寧さが嫌味に聞こえてしまう理由と、心地よい言葉の距離感を保つコツを、ITの視点からやさしく解説します。

なぜ“丁寧な言葉”が冷たく感じられるのか?

① 距離がありすぎると「突き放された」ように感じる

・「ご指摘いただきありがとうございます
→ 感謝の言葉なのに、感情がこもっていないように聞こえることも
→ UXライティングでは「フィードバックありがとうございます!」の方が人間味が伝わる

② 過剰な敬語が“皮肉”に聞こえる

・「さすがでいらっしゃいますね
本心が見えないと、嫌味や揶揄に感じられることも
→ システムのエラーメッセージで「お客様の操作に誤りがございます」は、責任転嫁に聞こえる危険性

③ 相手との関係性に合っていない

・親しい間柄で「ご確認いただけますと幸いです
距離を置かれたような違和感が生まれる
→ 社内チャットやUIボタンでは「確認してね!」の方が安心感につながる

丁寧さ=やさしさではない?──“言葉の温度”を整える

ITの世界では、言葉の温度=ユーザー体験の質です。
以下は、同じ意味でも「冷たく感じる表現」と「温かく伝わる表現」の比較です。

丁寧だけど冷たい言葉 同じ意味でも温かい言葉
ご指摘ありがとうございます 教えてくださって助かりました
ご確認いただけますと幸いです よかったら見てみてくださいね
ご足労いただき恐縮です わざわざ来てくださってありがとうございます

UXライティングでは、「正しい敬語」よりも「伝わる敬語」が重要です。
ユーザーが「人間らしさ」や「安心感」を感じられるかどうかが、信頼につながります。

嫌味に聞こえない“やさしい丁寧語”のコツ(IT編)

1. ユーザーとの距離感を意識する

 → 初心者向けUIでは、フレンドリーな言葉の方が安心感につながる

2. 感情を添える

 → 「ありがとうございます」だけでなく、「本当に助かりました」など、気持ちを言葉に乗せる

3. 敬語の“型”に頼りすぎない

 → 「正しい敬語」よりも、「文脈に合った敬語」を意識する
 → 例:エラー画面で「申し訳ありません」より「うまくいきませんでした。もう一度試してみてくださいね」の方がユーザーの不安を和らげる

まとめ

丁寧な言葉でも、距離感や感情が合っていないと、嫌味に聞こえることがある
IT の世界では、UXライティングやシステムメッセージの言葉選びが、信頼と安心を左右する
「正しさ」だけでなく、“伝わるやさしさ”が大切
相手との関係性や場面に合わせて、言葉の温度を整えることが、心地よいコミュニケーションの鍵

丁寧にしたつもりなのに、なんだか冷たくなってしまった…
そんなすれ違いを防ぐために、“やさしい敬語”と“やさしいUIコピー”の選び方を、これからも一緒に探っていきましょう。
阿久梨絵でした!

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