こんにちは、阿久梨絵です!
「ハッシュ」とは、英語で「細かく刻む」「ごちゃまぜにする」という意味。
ITの世界では、データをぐちゃっと混ぜて、一定の長さの“指紋”を作る関数のことを「 ハッシュ関数 」と呼びます。
ハッシュ関数の基本
・どんな長さのデータでも、決まった長さの値(ハッシュ値)に変換する
・同じ入力なら、必ず同じハッシュ値が返る
・少しでも違う入力なら、まったく違うハッシュ値になる
・ハッシュ値から元のデータを復元することはできない(一方向性)
たとえば「hello world」という文字列をSHA-256というハッシュ関数にかけると、
`b94d27b9934d3e08a52e52d7da7dabfac484efe37a5380ee9088f7ace2efcde9`
というような長い文字列が返ってきます。
何に使われているの?
| 用途 | 目的 |
|---|---|
| パスワード管理 | パスワードそのものを保存せず、ハッシュ値だけを保存することで安全性を高める |
| データ改ざん検出 | ファイルのハッシュ値を比較して、途中で壊れていないか確認する |
| ハッシュテーブル | データ検索を高速化するためのしくみ(プログラミングでよく使われる) |
暗号化との違いは?
| 項目 | ハッシュ関数 | 暗号化 |
|---|---|---|
| 元に戻せる? | ❌ できない(一方向) | ✅ できる(復号可能) |
| 主な目的 | データの整合性確認 | データの保護 |
| 使いどころ | パスワード保存、改ざん検出 | 通信の暗号化、機密情報の保護 |
最新情報:SHA-3の導入と次世代ハッシュ関数の動き
・Microsoftは2025年、Windows 11で「SHA-3」サポートを開始。SHA-1やSHA-2の後継として、より安全性の高いハッシュ関数がOSレベルで利用可能に
・SHA-3は「Keccak(ケチャック)」というアルゴリズムがベース。復号困難性と柔軟な出力形式が特徴
・世界的に次世代ハッシュ関数の開発・標準化が進行中。従来の関数に対する新たな攻撃手法が見つかり、安全性の再設計が求められている
まとめ
ハッシュ関数 は、データの“指紋”を作る技術です。
元に戻せないからこそ、改ざん検出やパスワード管理にぴったり。
そして今、SHA-3の登場や次世代技術の開発によって、さらに強く・安心なセキュリティの未来が広がっています。
阿久梨絵でした!
