こんにちは、阿久梨絵です!
病院の 予約システム は、患者の待ち時間を減らすために導入されたものです。
計画的に診察枠を管理し、混雑を避け、医療スタッフの負担も軽減する──
それは、効率と安心を両立させる設計のはずでした。
しかし今、その予約システムが“満足度の低下”を招いているケースがあるのです。
「完全予約制ではありません」──でも、空きがない画面が“拒否”に見える
公式サイトには「完全予約制ではありません」と書かれている。
でも、予約画面を開くと2週間先まで埋まっている。
このとき、ユーザーはこう感じます。
「今つらいのに、受け入れてもらえない」
「この病院にはもう行けないのかも」
本来は「待たせないための設計」だったはずが、
“来るな”と受け取られてしまうUXになっているのです。
実際には診てもらえる──でもそれが伝わらない
予約が埋まっていても、直接訪問すれば診察してもらえることがあります。
多少の待ち時間はあるものの、現場には“余白”がある。
しかし、予約画面にはその余白が表示されない。
このギャップが、ITと生活のすきまです。
IT設計に必要なのは「例外の余白」
医療のように“今つらい人”が相手の場面では、
IT設計に以下のような余白が必要です。
・「予約外でも診察可能です」の一文
・「直接来院も可能ですが、待ち時間が発生する場合があります」の案内
・「迷ったら電話でご相談ください」の選択肢
これらは、ユーザーの不安を和らげる“設計の言葉”です。
まとめ
・予約システムは「待たせない」ための設計だった
・でも、空きがない画面は「拒否された」と感じさせる
・実際には診察可能でも、それが伝わらなければ意味がない
・IT設計には、“今つらい人”に届く余白が必要
ITは計画を支える道具。でも、生活は予定通りに進まない。
だからこそ、“今つらい人”に届く余白のある設計が、これからのUXには必要です。
阿久梨絵でした!
