こんにちは、阿久梨絵です!
「A4サイズならどれも同じでしょ?」──そう思って印刷したら、
にじむ。ぼやける。色が沈む。QRコードが読めない。
その原因は、紙の“設計思想”の違いにあります。
この記事では、インクジェットプリンタ用の マット紙 と一般のA4用紙の違いを、印刷品質とUXの視点から解説します。
そもそも「マット紙」と「普通紙」は何が違う?
| 項目 | マット紙(インクジェット用) | 一般のA4普通紙 | UXへの影響 |
|---|---|---|---|
| 表面加工 | インク吸収層あり(コーティング) | 加工なし | にじみ・ぼやけの差 |
| インク定着 | 速乾性・高発色 | にじみやすく、色が沈む | 写真・図表・QRコードに影響 |
| コントラスト | 高い(黒が締まる) | やや弱い(グレーっぽくなる) | 読み取り精度・視認性に差 |
| 紙厚・質感 | やや厚め・しっとり | 薄め・ざらつきあり | 高級感・耐久性に差 |
| 印刷用途 | 写真・プレゼン・販促物 | 文書・メモ・社内資料 | 目的に応じた選択が必要 |
マット紙は「インクジェットで美しく仕上げるために設計された紙」──普通紙とは“目的が違う”
なぜマット紙はインクジェットに向いているのか?
・表面に微細なインク吸収層(コーティング)が施されている
・インクが紙の繊維に染み込まず、表面で止まることで発色が良くなる
・乾きも早く、にじみやぼやけが起こりにくい
これは「紙がインクを受け止める設計」──つまり紙も“印刷の一部”として設計されている
こんな場面ではマット紙が圧倒的に有利
・QRコードやバーコードの印刷:マス目がくっきり出るため、読み取り精度が高い
・写真やイラスト入りの資料:色が沈まず、見た目の印象が良い
・プレゼン資料や販促チラシ:高級感・視認性・耐久性が求められる場面に最適
・作品・ポートフォリオ印刷:細部まで再現できるため、表現力が上がる
まとめ
インクジェットで印刷するなら、紙選びが仕上がりを決める。
マット紙 は、にじまない・沈まない・くっきり映える──それは、印刷品質とUXの両方を支える“静かな設計”。
「同じA4なのに、結果が違う」──その理由は、紙の“目的設計”にあったのです。
弊社では、こうした“見えにくいけれど確かな設計思想”にも光を当てながら、
安心感と納得感のある印刷体験の再設計を探っていきます。
阿久梨絵でした!
