「オレンジから白へ」── バス の行き先表示が変わった理由

こんにちは、阿久梨絵です!
かつて、 バス の行き先表示といえばオレンジ色の電球文字
夜に浮かび上がる暖色の光は、どこか懐かしく、街の風景の一部だった。
それが今では、白色LEDのシャープな表示が主流に──
なぜ、色は変わったのか?
この記事では、バスの行き先表示がオレンジから白に変わった理由と、その背景にあるUX設計思想を解説します。

オレンジから白へ──色の変化は“技術と視認性”の交差点

時代表示色技術特徴
昭和〜平成初期オレンジ(電球色)白熱電球+フィルム暖かみはあるが、視認性は限定的
平成中期〜現在白(LED)高輝度LED+液晶制御明るく、遠くからでも判読しやすい

白色LEDは昼夜問わず高い視認性を持ち、文字の輪郭がくっきり見えるため、公共交通に最適化された

なぜ白が選ばれたのか?

視認性の向上

白はコントラストが高く、黒地に映える
雨天・夕暮れ・逆光でも判読しやすい

高齢者・色覚多様性への配慮

オレンジは色覚障害のある人にとって判別しづらい場合がある
・白は色覚に左右されにくく、誰にでも見やすい

メンテナンス性と省エネ

LEDは長寿命・低消費電力・交換頻度が少ない
・電球式は熱を持ちやすく、フィルム焼けや故障が多かった

白は「見やすさ」だけでなく、「誰にでも届く設計」と「運用効率」の両立を叶える色だった

UX設計としての“行き先表示”

バスの行き先表示は、乗客との最初の接点
色・フォント・明るさ・表示タイミングすべてが、安心感と判断力を支えるUX要素
白色表示は、「迷わない」「見落とさない」公共デザインの象徴

色の選択は、都市の“やさしさ”をどう設計するかという問いでもある

まとめ

バス の行き先表示がオレンジから白に変わったのは、
単なる技術進化ではなく、誰もが安心して乗れる公共交通を目指したUX設計の進化だった。
それは、色という小さな要素に宿る“都市のやさしさ”の物語

弊社では、こうした“見えにくいけれど確かな設計思想”にも光を当てながら、
安心感と納得感のある公共体験の再発見を探っていきます。
阿久梨絵でした!

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