こんにちは、阿久梨絵です！
コンピュータの進化とともに、OSのマルチタスク機能も大きく進化してきました。 Windows シリーズも例外ではなく、初期のシングルタスク環境から、現在のマルチコアを活かした並列処理へと進化を遂げています。本記事では、Windowsのマルチタスク機能がどのように発展してきたのかを、バージョンごとに振り返ってみたいと思います。
Windows 1.0〜3.x：ほぼシングルタスク
・登場時期：1985〜1990年代前半
・特徴：基本的にはMS-DOS上で動作し、1つのアプリケーションしかまともに動かせませんでした。
・マルチタスク性：ウィンドウを複数開けるように見えても、実際には疑似マルチタスク（高速な切り替え）でした。
Windows 95〜ME：協調型マルチタスク
・登場時期：1995〜2000年
・特徴：GUIが本格化し、複数アプリの同時起動が可能に。
・マルチタスク性：協調型マルチタスクを採用。アプリ側が「他の処理に譲る」設計で、アプリが固まると全体が止まることもありました。
Windows NT〜2000：プリエンプティブマルチタスクの導入
・登場時期：1993〜2000年
・特徴：業務向けOSとして設計され、安定性とセキュリティが強化されました。
・マルチタスク性：プリエンプティブマルチタスク（OSが強制的に処理を切り替える）を採用し、安定性が飛躍的に向上しました。
Windows XP〜7：マルチコア時代の最適化
・登場時期：2001〜2009年
・特徴：家庭用と業務用の両方で広く普及。マルチコアCPUが一般化し始めた時期です。
・マルチタスク性：複数のCPUコアを活用し、真の並列処理が可能に。バックグラウンド処理やユーザー操作がスムーズになりました。
Windows 8〜10：UIとマルチタスクの融合
・登場時期：2012〜2015年
・特徴：タブレット対応のModern UIが導入され、仮想デスクトップやスナップ機能など、視覚的なマルチタスク支援が強化されました。
・マルチタスク性：マルチスレッド処理とマルチコア最適化が進み、複数アプリの同時操作が快適に。
Windows 11：マルチタスクの完成形へ
・登場時期：2021年〜
・特徴：UIの洗練とともに、マルチタスク支援機能がさらに強化。スナップレイアウト、仮想デスクトップ、バックグラウンド最適化などが充実しています。
・マルチタスク性：マルチコア・マルチスレッドを最大限に活かし、真の並列処理とユーザー体験の両立を実現しています。
まとめ
Windows のマルチタスクは、疑似的な切り替え処理から、真の並列処理へと進化してきました。OSが処理を管理する方式も、協調型からプリエンプティブ型へと変わり、現在では複数コアを活用した高度なスケジューリングが行われています。
この進化は、単なる技術の進歩だけでなく、ユーザー体験の向上にも直結しています。今後のWindowsでは、AIによる処理最適化や、より柔軟なマルチタスク環境が登場するかもしれません。
阿久梨絵でした！
