UX設計 とX設計──“体験”をどう設計するかの違いとは?

こんにちは、阿久梨絵です!
「 UX設計 」と「X設計」。どちらも“体験”に関わる設計ですが、実はそのスコープやアプローチには違いがあります。
この記事では、両者の違いと、それぞれが持つ可能性について整理してみたいと思います。

UX設計とは?

UX(User Experience)設計とは、ユーザーが製品やサービスを使うときに感じる体験を、意図的に設計することです。
主にデジタル領域で使われる言葉で、UI(ユーザーインターフェース)や操作フロー、情報構造などが中心になります。

アプリのボタン配置や色使い
Webサイトのナビゲーション設計
フォーム入力のストレス軽減

UX設計は、「使いやすさ」「わかりやすさ」「迷わせない」ことを重視し、ユーザーの行動と感情を設計に反映させます。

X設計とは?

X設計(Experience Design)は、UXよりも広い概念です。
ユーザーだけでなく、人がある状況で体験するすべてを対象にします。空間、時間、感情、行動、社会的文脈──それらを含めて設計するのがX設計です。

セルフレジでレシートを受け取る動線
店舗の照明や音楽が購買行動に与える影響
展示会での導線設計と心理的誘導

X設計は、「人の体験全体」を設計対象とするため、デジタルに限らず、リアルな空間やサービスにも深く関わります。

UX設計とX設計の違い

項目UX設計X設計
対象ユーザー(主にデジタル)人間全体(状況・空間含む)
領域UI・操作・情報設計行動・感情・環境・社会的文脈
ゴール使いやすさ・満足度体験の質・意味・記憶に残る設計
活用例アプリ・Web・ソフトウェア店舗・イベント・公共空間・サービス全体

実務でどう使い分けるか?

たとえば、セルフレジで「レシートを忘れた」と言われる場面。
UX設計では「レシートの表示タイミングや文言」を見直すかもしれません。
でもX設計では、「レシートを受け取る動線」「出口の構造」「店員の声かけ」まで含めて設計します。つまり、UX設計は“画面の中”を整える設計
X設計は“体験の流れ全体”を整える設計なのです。

まとめ

UX設計 が「操作しやすい道具」をつくるなら、X設計は「その道具を使う場面全体」を描くこと。
どちらも欠かせない設計視点ですが、X設計の視野を持つことで、ユーザーの“行動の背景”まで設計に取り込むことができます。
弊社では、こうした“見えにくい体験の設計”にも光を当てながら、安心感と納得感のある情報設計を探ってまいります。
阿久梨絵でした!

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