こんにちは、阿久梨絵です!
iPhone のFace IDを使っていて、「あれ、認証されない…」と戸惑ったこと、ありませんか?
顔を向けているのに通らない。
何度も試しても反応しない。
その瞬間、私たちは“自分が拒否されたような不安”を感じます。
今回は、Face IDが通らないときに生まれる違和感と、
その背後にあるUX設計の構造を探ります。
なぜ「通らない」と不安になるのか?
1. 自分の“顔”が否定されたように感じる
・指紋やパスコードと違い、Face IDは“自分自身”が認証手段
・それが通らないと、「自分が拒否された」ような感覚が生まれる
認証失敗は、技術的なエラーではなく“自己否定のようなUX”になることがある。
2. “通るはず”という期待とのズレ
・毎日使っていると、「顔を向ければ開く」が当たり前になる
・その習慣が崩れた瞬間、“予期せぬ拒否”として不安が走る
UXにおける“習慣の崩壊”は、安心の崩壊でもある。
3. 周囲の視線が気になる
・外出先や電車内でFace IDが通らないと、何度も顔を向け直す動作が目立つ
・「何してるんだろう」と思われている気がして、心理的負荷が高まる
UXは、操作だけでなく“周囲との関係性”も含んでいる。
技術的な原因と対処法
① マスク・メガネ・帽子などの影響
・顔の一部が隠れていると、認識精度が下がる
・iOSでは「マスク着用時のFace ID」設定も可能(iPhone 12以降)
② 角度・距離が合っていない
・顔が斜めすぎる、距離が遠すぎると認識されにくい
・目線を正面に、距離は30〜50cm程度が理想
③ 環境光の影響
・暗すぎる/逆光すぎると、センサーが顔を捉えにくい
・特に屋外や夜間は、顔が見えていても認識されないことがある
“見えている”と“認識されている”は違う。
UX的安心を取り戻すヒント
1. パスコード入力を“逃げ道”として意識する
・Face IDが通らないとき、すぐにパスコードに切り替えられる設計
・「通らない=終わり」ではなく、「別ルートがある」ことが安心につながる
2. 認証失敗の“理由”を明示する設計が欲しい
・「顔が見えません」「距離が遠すぎます」など、失敗理由が表示されると納得感がある
・現状は「Face IDが機能しません」など、曖昧な表示が多い
UXにおける“納得できる失敗”は、安心の設計でもある。
まとめ
iPhone のFace IDは、技術的には顔認証。
でもUX的には、“自分自身が認められるかどうか”という感情の設計です。
通らない瞬間に感じる不安は、
「顔が違う」ではなく、「自分が拒否された」ような感覚。
その違和感を減らすには、
技術的な精度だけでなく、“安心して失敗できる設計”が必要です。
Face IDとの関係も、少しずつ優しくしていきましょう。
阿久梨絵でした!
