Webにおける“色”と“ 保護色 ”──見えない安心感を支える設計思想

こんにちは、阿久梨絵です!
Webサイトやアプリの色設計は、単なる装飾ではありません
色は、ユーザーの感情・行動・認知に影響を与える“設計変数”です。

その中でも注目したいのが、“ 保護色 ”という概念
今回は、Webで使用する色と保護色の関係を、UX設計の視点から構造的に整理します。

保護色とは?

保護色とは、本来は生物が外敵から身を守るために使う“背景に溶け込む色”のこと
Web設計においては、以下のような意味で使われます。

ユーザーの視線を邪魔しない色
情報の“背景”として機能する色
安心感・信頼感を支える“目立たない設計”

つまり、目立たないことで“守る”色なのです。

Webで使われる保護色の例

用途 保護色の役割 よく使われる色
背景 コンテンツを引き立てる 白・ライトグレー・ベージュ
境界線 情報の区切りを示す 薄いグレー・ブルーグレー
非アクティブ要素 操作対象外であることを示す グレー・淡色系
安心感の演出 信頼・落ち着きを与える 青系・緑系の低彩度色

保護色は、“目立たないことで機能する”設計要素です。
逆に、アクセントカラー(CTAボタンなど)は“目立つことで機能する”色
この対比が、Webの色設計の基本構造です。

保護色とアクセントカラーのバランス設計

UX設計では、色の使い方に以下のようなルールが存在します。

60-30-10ルール

 60%=背景・保護色(安心感)
 30%=補助色(構造整理)
 10%=アクセントカラー(行動誘導)

このバランスを守ることで、視覚的な安心感と操作性が両立します。

UX設計としての“保護色”の意味

UX観点 保護色の機能
認知負荷の軽減 情報が整理され、迷わず読める
感情の安定 派手すぎず、落ち着いた印象を与える
行動の誘導 目立つ要素が際立ち、操作がスムーズになる
アクセシビリティ 色覚多様性に配慮しやすい(高コントラスト設計が可能)

つまり、保護色は“見えない設計者”としてUXを支えているのです。

まとめ

保護色 は、目立たないことで情報を整理し、安心感を与える
アクセントカラーとのバランスが、UXの質を左右する
色は“美しさ”ではなく“意図”で選ぶべき設計変数

弊社では、こうした“見えない色設計”を構造的に整理し、ユーザーの不安を減らすUX設計を支援しています。
Webの色も、単なるデザインではなく、“信頼を支える静かな構造”として捉えることで、安心感が生まれます。
阿久梨絵でした!

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