「 社内ポータル が誰も使わない」──情報設計と“使われる導線”の作り方

こんにちは、阿久梨絵です!
社内ポータル に載せてあります
マニュアルはポータルにあります
最新情報はポータルを見てください

──そんな案内が繰り返される一方で、現場からはこんな声が聞こえてきます

どこに何があるか分からない
探すのが面倒で、結局聞いてしまう
更新されてるかどうか分からない

社内ポータルが“使われない”のは、情報がないからではなく、情報の“流れ”が設計されていないからかもしれません。
今回は、社内ポータルが使われなくなる構造的な理由と、“使われる導線”の作り方を考察します。

なぜ社内ポータルは“使われなくなる”のか?

1. 情報構造が“管理者目線”で設計されている

・部署別・カテゴリ別に分類されているが、現場の検索行動と噛み合っていない
・用語が専門的すぎて、検索してもヒットしない
・「どこに何があるか」が初見では分からない

2. 更新頻度と信頼性が低い

情報が古いまま放置されている
更新履歴や日付が明示されていない
・「見ても意味がない」という認識が定着してしまう

3. 導線が“業務フローに組み込まれていない”

ポータルにアクセスする習慣がない
業務ツール(Slack、Teams、メール)との連携がなく、通知も来ない
・「見に行く」ことが前提になっており、受動的なUXになっている

4. 情報の“意味”が設計されていない

何のために読むのか、誰が読むべきかが不明
・情報の粒度がバラバラで、読んでも判断できない
・「読むだけ」で終わり、次のアクションにつながらない

“使われる導線”の設計ポイント

1. 情報構造を“検索行動”から設計する

・実際に使う人が「どんな言葉で探すか」をベースに分類
タグ・キーワード・FAQ形式で、検索しやすい構造にする
・「業務別」「目的別」「役割別」など、複数の入り口を用意する

情報は“置く”のではなく、“探される前提”で設計する

2. 更新履歴と信頼性を“見える化”する

最終更新日・更新者・変更内容を明記
古い情報には「参考用」「更新予定」などのラベルを付ける
定期的な棚卸しとアーカイブ設計で、“今使える情報”だけを残す

情報の鮮度が、ポータルの信頼性を左右する

3. 業務ツールと“つながる導線”を設計する

SlackやTeamsからポータルへのリンクを自動通知
・業務フローの中に「ポータルを参照する」ステップを組み込む
申請・報告・確認などのアクションをポータル上で完結できるようにする

情報は“見に行く”のではなく、“流れてくる”設計にする

4. 情報の“意味と行動”をセットで設計する

・「この情報を読んだら、何をすべきか」を明示
読者別に表示を切り替える(例:管理職向け/一般社員向け)
・情報の末尾に「次にやること」「関連リンク」「問い合わせ先」を添える

情報は“読むだけ”ではなく、“動かす”ためにある

まとめ

社内ポータル が使われないのは、情報が足りないからではありません。
情報の流れ・意味・導線が設計されていないからです

ポータルは、ただ置くだけでは機能しません。
業務の流れに組み込み、検索行動に合わせ、更新を見える化し、行動につなげる──
その設計があって初めて、“使われるポータル”になります。

情報は、構造で動かす。
その第一歩は、“使われない理由”を構造から見直すことです。
阿久梨絵でした!

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