こんにちは、阿久梨絵です!
「裏方だから仕方ない」
「成果が数字で出ないから評価しづらい」
「頑張ってるのは分かるけど…」
そんな言葉が繰り返されるIT現場。
だがその瞬間、“ 見えない成果 ”が切り捨てられている。
そして、心理的報酬の欠如が、静かな離職を引き起こしている。
評価制度の不整合:なぜ報われないのか?
| 構造的原因 | 現場で起きること | 心理的影響 |
|---|---|---|
| 定量評価偏重 | 数値化できない貢献が無視される | 「自分の仕事は意味がないのか?」という疑念 |
| 職種ごとの評価軸の不在 | バックエンド/QA/PMなどが一括評価される | 納得感の欠如/モチベーション低下 |
| 評価者の理解不足 | 専門外の上司が評価を下す | 「分かってもらえない」孤立感 |
| 心理的報酬の設計不足 | 承認・感謝・フィードバックが欠如 | 自己効力感の低下/離職リスク増加 |
“見えない成果”がUXを壊す理由
UXとは、ユーザー体験だけでなく、働く人の体験(EX)も含まれる。
評価制度がUX設計と連動していないと、以下のような損失が生まれる。
・努力が可視化されない → 成長実感が得られない
・フィードバックが曖昧 → 自己改善の方向性が見えない
・報酬が連動しない →「頑張っても意味がない」という諦め
・心理的安全性が崩れる → 提案・挑戦が止まり、組織が停滞する
UX視点で見る評価制度の再構築
評価制度は、信頼設計の中核であり、UXの一部である。
以下のような再設計が、報われる職場をつくる鍵になる。
| 設計要素 | UX的視点 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 職種別評価軸 | 貢献の文脈を可視化 | 納得感のある評価/離職防止 |
| プロセス評価の導入 | 結果だけでなく努力も評価 | 成長実感の向上/心理的報酬の強化 |
| フィードバックUX | 定期・具体・肯定的な対話設計 | 自己効力感の維持/信頼構築 |
| 評価者教育 | 専門性と共感力の育成 | 評価の質向上/不信感の解消 |
まとめ
IT業界には、成果が数字で見えにくい職種が多い。
だがそれは、評価できないのではなく、評価設計がされていないだけ。
「報われない仕事」は存在しない。
存在するのは、報われるように設計されていない制度だけだ。
UXとは、ユーザーだけでなく、
働く人の体験を守る設計思想でもある。
その視点を評価制度に取り込むことが、
離職を防ぎ、信頼を育てる唯一の道になる。
阿久梨絵でした!
