「 使われないシステム は罪である」──“5割しか使われない”開発の闇とUXの盲点

こんにちは、阿久梨絵です!
納品はした
要件は満たしている
それでも、ユーザーは使っていない

IT業界では、“ 使われないシステム ”が静かに量産されている。
それは単なる設計ミスではない。
ユーザー不在の意思決定とUX軽視が生んだ構造的な失敗だ。

なぜ“使われない”のか?構造的な原因

原因現場で起きることUX的な盲点
要件定義が業務都合のみ現場の声が反映されないユーザーの行動文脈が無視される
設計者が“使う人”を知らない画面が複雑/操作が直感的でない心理的負荷が高く、離脱される
導入後のフォローがない使い方が分からず放置される学習UXが設計されていない
“使われること”が評価されない納品=成功という誤解利用率や定着率が軽視される

“使われないシステム”がもたらす信頼崩壊

ユーザーの不信感:「また使いにくいものが来た」
現場の疲弊:使いづらさを補うために手作業が増える
組織の損失:投資対効果が見えず、改善も止まる
開発側の孤立:「ちゃんと作ったのに…」という徒労感

UX設計の盲点:使われることが目的化されていない

UXとは、“使いやすさ”ではなく“使われ続けること”。
だが、現場では以下のような誤解が蔓延している。

誤解実際のUX的視点
UIが綺麗なら使われる文脈・習慣・心理的負荷が設計されているかが重要
マニュアルがあれば十分学習UX・導入UXが設計されているかが鍵
要件通りなら問題ないユーザーの期待値と行動が一致しているかが本質

“使われるシステム”にするための設計視点

ユーザー行動の観察:業務フローだけでなく、感情や習慣も見る
導入UXの設計:初回体験・学習コスト・安心感を重視
利用率の可視化使われ方を定量・定性で追う仕組み
“使われること”の評価制度:納品ではなく定着を成果とする

まとめ

システムは、使われて初めて価値になる
使われないシステムは、ユーザーの信頼を損ない、現場を疲弊させる

誰のために作るのか
どうすれば使われ続けるのか
その問いを設計に織り込むことが、
UX設計者としての責任であり、信頼構築の第一歩だ。

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