こんにちは、阿久梨絵です！
「この操作には追加認証が必要です」
「セッションが切れました。再ログインしてください」
「このファイルは社外アクセス禁止です」
セキュリティ対策 は、組織を守るための当然の設計。
しかし、“守ること”が目的化された瞬間、現場のUXは崩壊する。
そして、業務が止まり、信頼が揺らぎ、心理的報酬が失われていく。
セキュリティ対策が業務を止める構造
| 対策の意図 | 現場で起きること | UX的損失 |
|---|---|---|
| 多要素認証の強化 | ログインに時間がかかり、操作が中断される | 「面倒くさい」印象／離脱率の上昇 |
| セッションタイムアウトの短縮 | 作業途中で強制ログアウト／再入力の繰り返し | 集中力の低下／心理的疲弊 |
| アクセス制限の厳格化 | 必要なファイルに辿り着けない／迂回が必要 | 業務効率の低下／不信感の増加 |
| 説明不足の導入 | なぜ制限されているか分からない | 「信用されていない」感覚／心理的安全性の崩壊 |
セキュリティとUXは“対立関係”ではない
UXとは、ユーザー体験だけでなく、安心・納得・信頼を含む設計思想。
セキュリティ対策がUXを壊すのは、以下のような設計不在による。
・“守る理由”が説明されていない → 納得感がなく、反発が生まれる
・“使える状態”が設計されていない → 安全でも業務が進まない
・“心理的報酬”が欠如している → 守っても評価されず、徒労感が残る
・“柔軟な制御”がない → 一律の制限が現場の多様性を潰す
UX視点で見るセキュリティ再設計のヒント
セキュリティ対策は、“使える安全”として設計されるべき。
以下のUX設計が、業務を止めずに守るための鍵になる。
| 設計要素 | UX的視点 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 認証UX | 文脈に応じた柔軟な認証（例：リスクベース認証） | ストレス軽減／離脱防止 |
| 心理的報酬 | 守る行動への感謝・可視化・評価 | 自律的行動の促進／定着率向上 |
| 説明責任UX | 制限の理由・背景を明示 | 納得感の向上／信頼構築 |
| 柔軟な制御設計 | ユーザー属性・業務内容に応じた制限調整 | 業務効率の維持／安心感の提供 |
まとめ
セキュリティ対策 は、
“守ること”が目的ではなく、“安心して使えること”が目的であるべき。
「安全だから使えない」ではなく、
「安全でも使える」設計へ。
それが、
セキュリティUXの再構築であり、現場の信頼を守る唯一の道である。
阿久梨絵でした！
