こんにちは、阿久梨絵です!
RAID (Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスクを組み合わせて、「速さ」や「安全性」を高める技術です。
RAID 10は、RAID 1(ミラーリング)とRAID 0(ストライピング)を組み合わせた構成。
つまり、「データを分散して速く読み書きしながら、同時にコピーして守る」という、スピードと安心の両立を目指した設計です。
RAID 10の仕組み:ミラー+ストライプ
RAID 10は、最低4台のディスクを使って、
・まずRAID 1で2台ずつミラー(コピー)を作成
・そのミラーセットをRAID 0でストライピング(分散書き込み)
例:4台のディスクで構成する場合
| ミラーセットA | ミラーセットB |
|---|---|
| ディスク1 ←→ ディスク2 | ディスク3 ←→ ディスク4 |
この構成により、
・読み書きは高速(RAID 0の恩恵)
・1台の故障には耐えられる(RAID 1の恩恵)
RAID 10のメリット
・読み書きが速い → ストライピングで並列処理
・故障に強い → ミラーリングで冗長性あり
・復旧が簡単 → ミラーからすぐに復元可能
・RAID 5や6よりも復旧時間が短い → パリティ計算不要
RAID 10の注意点・限界
① ディスク使用効率が低い
・4台のうち、実質2台分の容量しか使えない(残りはコピー用)
② RAIDはバックアップではない
・誤操作・ウイルス・過去の状態復元には対応できない
③ ミラーセット内の両方が壊れると復元不可
・RAID 10は「各ミラーセットに1台までの故障」にしか耐えられない
RAID 5・6・10の比較表
| 項目 | RAID 5 | RAID 6 | RAID 10 |
|---|---|---|---|
| 最低必要台数 | 3台 | 4台 | 4台 |
| 故障耐性 | 1台まで | 2台まで | ミラーセットごとに1台まで |
| 使用可能容量 | 全体 − 1台分 | 全体 − 2台分 | 全体の半分 |
| 読み書き速度 | やや速い | やや遅い | 高速 |
| 復旧のしやすさ | パリティ計算が必要 | パリティ計算が必要 | ミラーから復元可能 |
| バックアップ代わりになる? | ❌ | ❌ | ❌ |
まとめ
RAID 10は、「速くて壊れにくい」という理想に近い構成。
でも、バックアップの代わりにはならないし、ミラーセットの両方が壊れると復元できません。
本当の安心は、「RAIDがあるから大丈夫」ではなく、
「RAIDの仕組みを理解して、運用で補えている」こと。
RAID 10は、“技術的な安心”の土台。
その上に、“運用の安心”をどう積み重ねるかが、データを守る鍵になります。
阿久梨絵でした!
