こんにちは、阿久梨絵です!
RAID (Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスクを組み合わせて、「速さ」や「安全性」を高める技術です。
RAID 5は「1台壊れても復元できる」ことで知られていますが、
RAID 6はさらに一歩進んで、「2台壊れても復元できる」という安心設計が特徴です。
でも、“絶対に安全”ではありません。
この記事では、RAID 6の仕組みと、その安心の限界をやさしく整理していきます。
RAID 6の仕組み:パリティが2つある
RAID 6は、RAID 5と同じようにデータを分散して保存しながら、
2種類のパリティ(誤り訂正情報)を別々のディスクに分散して保存します。
これにより、2台のディスクが同時に故障しても、残りのディスク+2つのパリティで復元できるのが最大の強みです。
例:4台のディスクで保存する場合
| ディスク1 | ディスク2 | ディスク3(パリティ1) | ディスク4(パリティ2) |
|---|---|---|---|
| データA | データB | AとBのパリティ情報① | AとBのパリティ情報② |
RAID 6のメリット
・2台までの故障に耐えられる → RAID 5より安心感が高い
・読み込み速度が速い → 複数ディスクから並列に読み出せる
・書き込みも安定 → パリティ計算は重いが、信頼性は高い
RAID 6の注意点・限界
① 書き込み速度はRAID 5より遅くなる
・パリティが2つある分、書き込み時の計算負荷が増える
② ディスク数が多く必要
・最低4台以上必要。実際の使用可能容量は「全体 − 2台分」
③ RAIDはバックアップではない
・誤操作・ウイルス・ランサムウェアには無力
・RAID 6でも、“過去の状態に戻す”ことはできない
RAID 5とRAID 6の比較表
| 項目 | RAID 5 | RAID 6 |
|---|---|---|
| 最低必要台数 | 3台 | 4台 |
| 故障耐性 | 1台まで | 2台まで |
| 使用可能容量 | 全体 − 1台分 | 全体 − 2台分 |
| 書き込み速度 | やや速い | やや遅い(パリティ2つ) |
| 安心感 | 中程度 | 高め(でも限界あり) |
| バックアップ代わりになる? | ❌ | ❌ |
まとめ
RAID 6は、2台の故障に耐えられる安心設計。
でも、誤操作・ウイルス・過去の復元には対応できません。
本当の安心は、「RAIDがあるから大丈夫」ではなく、
「RAIDの限界を知って、バックアップや運用設計で補えている」こと。
RAID 6は、“技術的な安心”の土台。
その上に、“運用の安心”をどう積み重ねるかが、データを守る鍵になります。
阿久梨絵でした!
