こんにちは、阿久梨絵です!
「とりあえず動いている」
「 AI が書いたから、仕様は合ってるはず」
「でも、誰も読めない」
そんなコードが、現場に静かに積み上がっている。
それは、“動作すること”が目的化され、保守性・可読性・責任設計が置き去りにされているから。
そして、心理的安全性のないコードは、誰にも触れられず、誰にも引き継がれない。
“読めないコード”が生まれる構造
| 設計の盲点 | 現場で起きること | UX的損失 |
|---|---|---|
| 可読性の軽視 | 変数名・関数名が文脈と乖離/意図が不明 | 保守不能/心理的負荷の増加 |
| 責任設計の不在 | 「誰が書いたか分からない」コードが増える | バグ対応の遅延/信頼の崩壊 |
| AI生成コードの無批判な採用 | 動作はするが、設計思想が不明 | 拡張不能/属人化の再発 |
| 心理的安全性の欠如 | 「触ったら壊れるかも」恐怖が定着 | コードが“封印”され、改善が止まる |
“動く”だけでは、UXは成立しない
UXとは、ユーザー体験だけでなく、開発者・保守者・後任者の体験も含む設計思想。
読めないコードは、以下のようなUX的損失を生む
・「読めない」=「触れない」:保守性が失われ、改修が怖くなる
・「誰が責任を持つか分からない」:心理的安全性が崩壊
・「設計意図が見えない」:UX改善が止まり、機能追加が困難になる
・「レビューが追いつかない」:品質保証が形骸化し、信頼が揺らぐ
UX視点で見る“保守できるコード”の設計原則
コードは、書かれる瞬間よりも、読まれる瞬間のために設計されるべき。
以下のUX設計が、保守性と信頼を守る鍵になる。
| 設計要素 | UX的視点 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 可読性設計 | 命名・構造・コメントが文脈に沿っている | 理解の高速化/心理的安心感の提供 |
| 責任の可視化 | 生成者・レビュー者・承認者の記録 | トラブル時の安心感/信頼構築 |
| 意図の明示 | “何をしたか”だけでなく“なぜそうしたか”を記述 | 保守者の納得/改修の精度向上 |
| 初回体験UX | 新規参入者が安心して触れる設計 | 継承性の向上/属人化の予防 |
まとめ
コードは、動くだけでは価値にならない。
それを読める体験として設計することが、保守UXの本質である。
「書ける」ではなく、
「読める」
「触れる」
「引き継げる」
その体験を設計することが、
AI 時代の開発現場における信頼と継続性の鍵である。
阿久梨絵でした!
