こんにちは、阿久梨絵です!
日々使うIT機器やシステムの中には、何気なく目にするボタンやラベルが数多く存在します。その中でも、ふと違和感を覚えたのが「 Rejectボタン 」という表記。
「Reject=拒否する」という直訳が頭をよぎるたびに、「この操作、本当に“拒否”なのか?」と疑問が湧いてきます。
UX設計において、言葉の選び方はユーザーの安心感や納得感に直結します。今回は、そんな「Rejectボタン」に潜む違和感を掘り下げてみましょう。
Rejectボタンの使用例とそのズレ
1. ハードウェアでの「Reject」
・例:CDドライブやカードリーダーなどで「Reject」ボタンが使われることがある。
・実際の動作:メディアを「取り出す」「排出する」。
・違和感ポイント:ユーザーは“拒否”ではなく“取り出し”を意図しているのに、言葉が冷たい印象を与える。
2. ソフトウェアでの「Reject」
・例:申請フォームやレビューシステムで「Reject」ボタンが表示される。
・実際の動作:提案や申請を「却下」する。
・違和感ポイント:ビジネス文脈では妥当でも、ユーザーにとっては“否定された”という心理的負荷が大きい。
UX視点で考える:より納得感のある表現とは?
Rejectという言葉は、機能的には正しいかもしれません。しかし、ユーザーの心理的安全性や操作の意図との整合性を考えると、以下のような代替案がより適している場合があります。
| 操作内容 | 適切な表現(英語) | 日本語訳 | UX的メリット |
|---|---|---|---|
| メディアの取り出し | Eject / Remove | 取り出す / 外す | 行動を明確に表現 |
| 提案の却下 | Decline / Dismiss | 却下 / 不採用 | 柔らかく丁寧な印象 |
| 一時的な拒否 | Suspend / Hold | 保留 / 一時停止 | 否定ではなく選択肢の提示 |
言葉がもたらす“安心感”の設計
UX設計において、ラベルやボタンの文言は単なる装飾ではありません。
それは、ユーザーとの“対話”であり、“信頼構築”の第一歩です。
「Reject」という言葉が持つ否定的な響きは、操作の本質とズレている場合、ユーザーに不安や誤解を与える可能性があります。
だからこそ、言葉の選び方にこそ、納得感と安心感を宿す工夫が必要なのです。
まとめ
「 Rejectボタン 」に感じた違和感は、単なる言葉の問題ではなく、ユーザー体験の質を左右する重要な要素です。
違和感を放置せず、言語化し、構造化して見直すことで、より信頼されるインターフェースへと進化させることができます。
次にRejectボタンを見かけたとき、ぜひその意味とユーザーへの影響を考えてみてください。
違和感は、UX改善の第一歩です。
阿久梨絵でした!
