こんにちは、阿久梨絵です!
クレジットカード で買い物をするとき、「暗証番号を入力してください」と言われることがありますよね。
でも、あの4桁の数字を入れることで、実際にはどんな処理が行われているのでしょうか?
今回は、ICチップ付き クレジットカード のPIN認証の仕組みについて、UXとセキュリティの視点から解説します。
暗証番号入力の目的とは?
暗証番号(PIN:Personal Identification Number)は、カード所有者が本人であることを確認するための手段です。
従来の「サインによる本人確認」よりも、偽造やなりすましに強いという特徴があります。
2025年4月からは、日本国内の店頭決済において「PINバイパス(署名による代替認証)」が原則廃止され、PIN入力が必須化されました。
決済時に行われる処理の流れ
ICチップ付きクレジットカードを端末に挿入し、PINを入力すると、以下のような処理が行われます。
① カード情報の読み取り
・ICチップからカード番号、有効期限、発行会社情報などが読み取られる。
・同時に、暗号化された認証キーも端末に送られる。
② PIN入力と照合
・ユーザーが入力したPINは、端末内で暗号化され、カードのICチップに送信。
・ICチップ内のPINと照合され、一致すれば認証成功。
③ 相互認証と取引承認
・端末とカード間で動的な暗号データ(ARQCなど)をやり取り。
・カード会社に取引情報が送信され、承認が下りれば決済完了。
④ 取引履歴の更新
・カード内の取引カウンター(ATC)が更新され、次回以降の認証にも活用。
技術的なポイント
| 処理項目 | 内容 |
|---|---|
| 暗号化方式 | 通常はDESまたはRSAなどの公開鍵暗号方式 |
| 認証方式 | オフラインPIN認証(ICチップ内照合)またはオンラインPIN認証(カード会社照合) |
| 動的データ | ARQC(暗号リクエストコード)、ATC(取引カウンター)など |
UX視点でのメリット
・安心感のある本人確認:サインよりも確実で、偽造リスクが低い。
・スムーズな処理:PIN入力は数秒で完了。署名よりも時間がかからない。
・非接触決済との併用も可能:少額決済ではPINレス処理もあり、UXが柔軟に設計されている。
注意点と今後の展望
・PINを忘れた場合:一定回数の誤入力でロックされることも。事前にカード会社のアプリなどで確認・再設定を。
・障害者への配慮:視覚障害などでPIN入力が困難な場合は、店舗側が合理的配慮を行う必要があります。
・タッチ決済との違い:非接触型決済ではPIN不要のケースもありますが、これは「PINレス」であり「PINバイパス」とは異なる設計です。
まとめ
クレジットカード の暗証番号の入力は、単なる「本人確認」ではなく、ICチップと端末、カード会社の三者が連携して行う高度なセキュリティ処理です。
UXの観点からも、ユーザーに「安心・スムーズ・信頼」を提供する重要な要素。
日常の決済の裏側には、こうした複雑で精密な仕組みが動いていることを知ると、少しだけ世界が広がるかもしれません。
阿久梨絵でした!
