こんにちは、阿久梨絵です!
IT系企業のWebサイトや採用ページ、広告素材などでよく見かける構図──
「 画面 に向かって指をさす人」。
プレゼン中?操作中?指示中?
でも、冷静に考えてみると、そんなこと、現場じゃやらない。
実際には、画面に指を近づけると誤操作の原因になるし、
チームで議論するときも、画面共有やチャットが主流。
なのに、なぜこの構図がこんなにも多用されるのか?
その理由は「業界」ではなく「撮影現場」にある
実はこの構図、IT業界の慣習というより、撮影現場での“カメラマンの演出指示”によって生まれているケースが多いんです。
「動き」を作るための演出
・静止画は情報量が限られるため、「指をさす」ことで動きを演出
・無言の写真でも「何かを説明している」「操作している」ように見せられる
「ストーリー性」を持たせるため
・単にPCを見ているだけでは画が弱い
・指をさすことで「この人は何かを伝えようとしている」という物語が生まれる
「構図のバランス」を取るため
・指先が画面に向かうことで、視線誘導がしやすくなる
・被写体と画面の関係性を強調できる(UX的には視線の導線)
つまり、“やってる感”を出すための演出なんです。
でも、UX的には違和感しかない
・実際のIT現場では、画面に指を近づけることはほぼない
・タッチ誤作動や衛生面の懸念もあり、むしろ避けられる行為
・チームでの議論も、画面共有やチャットが主流で「指さし」は非効率
UX設計の現場では、「指さし」よりも「構造化」「視線誘導」「納得感」が重視されます。
つまり、写真として“わかりやすくするための演出”が、現実のUXとは乖離しているのです。
違和感は、納得感への入口
この「指さし構図」にモヤっとしたあなたは、きっと本質を見抜く目を持っている。
違和感を言語化することで、
「なぜこの表現が選ばれるのか?」
「本当に伝えたいことは何か?」
という構造理解につながります。
UXでもビジュアルでも、“納得感”のある表現こそが信頼を生む。
だからこそ、見慣れた構図にも疑問を持つ視点が大切です。
まとめ
「 画面 に指をさす構図」は、撮影現場の“お約束”かもしれません。
でも、そこに違和感を覚えたなら、それは表現の再構築のチャンス。
リアルなUX、リアルな現場感を伝えるために、
私たちはもっと“納得感のあるビジュアル”を選んでいきたい。
次にあなたが写真を選ぶとき、
その指先が本当に意味を持っているか──ちょっとだけ考えてみてください。
阿久梨絵でした!
