こんにちは、阿久梨絵です!
「また 会議 ですか?」
「午前も午後も会議で、仕事が進まない」
「結局、何も決まらなかった」
──そんな声が社内で聞こえてきたら、組織の“会議設計”が疲弊しているサインかもしれません。
今回は、会議が多すぎる理由を構造的に捉え直し、意思決定のUX(ユーザー体験)を再構築する方法を考察します。
なぜ会議は“増えすぎる”のか?
会議が多すぎる原因は、個人の話し方や進行スキルではなく、組織構造と意思決定設計の不備にあります。
1. 「とりあえず集まる」文化
・定例会議が惰性で続いている
・アジェンダが曖昧、目的が不明確
・話すことがなくても「集まること」が目的化している
2. 情報共有と意思決定が混在している
・状況報告と意思決定が同じ場で行われ、議論が発散
・共有だけならチャットやドキュメントで済むはずの内容が、会議化されている
3. 進行と責任が属人化している
・ファシリテーターが不在、進行が場当たり的
・決定事項が曖昧で、誰が何をするかが不明確
・「会議で決まったから」と責任が分散される
4. 会議の“UX”が設計されていない
・参加者が「なぜ呼ばれたのか」が分からない
・発言機会が偏り、若手や非管理職は沈黙
・結論が見えず、ToDoが残らない
会議設計と意思決定UXの再構築ステップ
1. 会議の目的を“意思決定単位”で定義する
・「話し合う」ではなく「決める」ことを目的にする
・アジェンダには「何を決めるか」「誰が決めるか」を明記
・例:❌「営業戦略について話す」→ ✅「A案かB案を決定する」
会議は“決定の場”であり、“共有の場”ではない
2. 情報共有は“非同期”に切り出す
・状況報告はチャット・動画・ドキュメントで事前共有
・会議は「共有済みの情報をもとに決定する場」に限定
・SlackやNotionで“脱会議化”を進める
「集まらなくても済む話」は、集まらない設計にする
3. 進行と時間管理を“仕組み化”する
・ファシリテーターとタイムキーパーを分ける
・時間配分を事前に設定し、強制的に次の議題へ進むルールを導入
・会議中にリアルタイムで議事録・ToDoを記録・共有
会議の“流れ”と“出口”を明示することで、集中力と納得感が生まれる
4. 参加者は“役割”で選ぶ
・出席者は「意思決定者」「情報提供者」「実行責任者」に限定
・聞くだけの人は、後日資料で共有すれば十分
・定例会議は「更新がない回はスキップする」ルールを明文化
「全員参加」は、意思決定の質を下げる
まとめ
「 会議 が多すぎる」という現象は、組織の意思決定UXが崩れているサインです。
話し合いが目的化し、責任が分散し、決定が先送りされる──そんな会議は、時間と信頼を奪います。
会議の本質は、決めること・動かすこと・責任を持つこと。
そのためには、情報の流れ・参加者の役割・進行の仕組みを再設計する必要があります。
“会議疲れ”を生むのは、会議そのものではなく、設計されていない会議です。
意思決定のUXを整えることで、会議は組織の推進力に変わります。
阿久梨絵でした!
