JIS第一水準・第二水準・第三水準── 漢字 の“格付け”は誰が決めた?

こんにちは、阿久梨絵です!
JIS水準とは、日本工業規格(JIS)が定めた 漢字 の使用範囲の分類。
主に情報処理や文字コード規格で使われ、パソコンやプリンタ、行政文書などで「どの漢字が使えるか」を決める基準になっています。

各水準の目的と違い

水準漢字数主な用途特徴
第一水準2,965字常用漢字・教育漢字一般的な文章で使われる漢字を網羅
第二水準3,390字人名・地名・専門用語使用頻度は低いが必要性の高い漢字
第三水準1,259字行政文書・人名漢字の補完JIS X 0208にないが、比較的使用頻度が高い漢字

第四水準(2,436字)も存在しますが、使用頻度はさらに低く、特定分野向けです。

なぜ“水準”という言葉なのか?

「水準」という言葉には、“等級”や“格付け”のニュアンスがある。
でも実際は、「使用頻度」や「必要性」に基づいて分類されているだけ。
つまり、漢字の“格”ではなく、技術的な“対応範囲”を示している。

パソコンでの対応状況

Windows・macOS・Linuxなど

第一・第二水準(JIS X 0208) → ほぼすべて対応
第三・第四水準(JIS X 0213) → Unicode対応環境なら対応可能
JIS X 0212(補助漢字) → 一部環境で制限あり(Shift_JISでは非対応)

つまり、UnicodeベースのOSやアプリなら、第三水準まで問題なく使える
ただし、古いソフトや印刷機器では、対応していないこともあるので注意。

なぜ第三水準は“見えにくい”のか?

Unicodeには収録されているが、フォントが対応していない場合がある
一部のアプリでは、JIS X 0208までしか対応していない
行政文書や人名表記で使われるが、一般文書ではあまり見かけない

つまり、技術的には使えるが、環境によって“見えない漢字”になることがある。

まとめ

JIS水準漢字は、 漢字 の“格”ではなく、技術と運用の都合で分類されたもの。
パソコンで使えるかどうかは、OS・フォント・アプリの対応次第
この漢字、表示されない…」という違和感の裏には、水準という“見えない壁”がある。
阿久梨絵でした!

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