こんにちは、阿久梨絵です!
「なんでこんなコード書いたの!?」
「この仕様、わざと混乱させようとしてる?」
そんなふうに、つい“悪意”を感じてしまう瞬間ってありますよね。
でも、ちょっと待って。
それ、本当に“悪意”なんでしょうか?
今回は、冷静な判断力を育てる思考ツール「 ハンロンの剃刀 (カミソリ)」についてご紹介します。
ハンロンの剃刀とは?
「悪意よりも、単なる愚かさを疑え」
(Never attribute to malice that which is adequately explained by stupidity.)
この原則は、トラブルやミスに直面したときに「相手の悪意を疑う前に、単なるミスや理解不足の可能性を考えよう」という考え方。
“剃刀”という言葉は、「余計な仮説をそぎ落とす思考法」を意味します。
つまり、感情的な憶測を排除して、シンプルに考えるためのツールなんです。
なぜ“悪意”に見えてしまうのか?
・自分が忙しい・疲れている:余裕がないと、他人の行動をネガティブに受け取りがち
・過去の経験に引っ張られる:「前もこの人、変なことしてたし…」という先入観
・コミュニケーション不足:意図が伝わっていないと、誤解が生まれやすい
でも実際には、「ただの凡ミス」「勘違い」「知識不足」だった…というケースがほとんどです。
ハンロンの剃刀が活きるシーン
| シーン | よくある誤解 | ハンロン的視点 |
|---|---|---|
| コードレビュー | 意図不明な変数名 → わざと混乱させてる? | 命名ルールを知らなかっただけかも |
| 仕様変更 | 使いにくいUI → ユーザーを困らせたい? | ユースケースの想定がズレてただけ |
| チーム内連絡 | 返信が遅い → 無視されてる? | 単に通知を見落としてる可能性 |
| SNS投稿 | 意味深な表現 → 嫌味?皮肉? | 誤解を招く表現だっただけかも |
ハンロンの剃刀を活かすコツ
“悪意”より“凡ミス”を先に疑う
・まずは「うっかり」「知らなかった」「勘違い」の可能性を考える。
事実ベースで確認する
・感情ではなく、ログ・履歴・発言などの“根拠”をもとに判断する。
フィードバックはやさしく
・「ここ、こういう意図ですか?」と確認するだけで、誤解が解けることも。
まとめ
ハンロンの剃刀は、「怒る前に考える」ための思考の武器。
感情的にならず、事実に基づいて判断することで、チームの信頼関係も深まります。
レビューでも、トラブル対応でも、SNSでも——
“悪意”を疑う前に、“凡ミス”を疑うことで、やさしく、しなやかな対応ができるようになります。
阿久梨絵でした!
