こんにちは、阿久梨絵です!
「我が社は DX を推進しています」
「生成AIを導入しました」
「クラウド化、完了しました」
そんな言葉が社内報やIR資料に並ぶ一方で、
現場では何も変わっていない。
むしろ、新しいツールが増えただけで業務は煩雑化し、UXは悪化している。
それは、“やってる感”だけが先行するトップダウン型DXの罠だ。
DX空回りの構造:なぜ現場が置き去りになるのか?
| 構造的原因 | 現場で起きること | 心理的影響 |
|---|---|---|
| 経営層主導のツール導入 | 現場の業務フローと乖離 | 「使いづらい」「意味がない」という不信感 |
| KPIが机上の空論 | 成果が現場と無関係な指標で測定される | 「評価されない」徒労感とモチベーション低下 |
| 現場の声が届かない | 改善提案が無視される/反映されない | 心理的安全性の崩壊/沈黙文化の定着 |
| “導入=成功”という誤解 | 使われないツールが放置される | UXの悪化/業務効率の低下 |
“やってる感DX”がもたらすUX的リスク
・現場の自律性が奪われる:「指示されたから使う」だけの運用
・ツール疲弊が起きる:新旧ツールの並行運用で業務が複雑化
・信頼設計が崩れる:「上は現場を見ていない」という分断
・継続的改善が止まる:現場が“考えること”をやめてしまう
UX視点で見るDX推進の再設計
DXとは、単なるデジタル化ではなく、体験の再設計であるべき。
そのためには、以下のようなUX設計が不可欠
| 設計要素 | 理想的なDX | 空回りするDX |
|---|---|---|
| 目的の共有 | 現場と経営が同じゴールを見ている | KPIだけが一方的に降ってくる |
| ユースケース設計 | 実務に即した導入シナリオ | 汎用ツールの丸投げ導入 |
| 導入UX | 学習・定着・フィードバックの設計 | “使えない”と放置されるツール群 |
| 評価制度 | 利用率・改善提案も評価対象 | 導入完了だけが成果扱いされる |
解決のヒント:現場を“DXの主語”にする
・現場起点のユースケース設計:業務フローと感情文脈を踏まえた導入
・KPIの共創:現場代表を交えた指標設計で納得感を生む
・導入UXの設計:初回体験・学習支援・ピアレビューの仕組み化
・“使われ方”の評価:導入後の定着率・改善提案を成果として扱う
まとめ
DX は、現場の体験を変えることが目的であり、
ツール導入やKPI達成は、その手段にすぎない。
「DXやってます」と言う前に、
「現場は変わったか?」
「使われているか?」
「信頼されているか?」
その問いに答えられなければ、
それはDXではなく、ただの“デジタル装飾”だ。
阿久梨絵でした!
