こんにちは、阿久梨絵です!
セキュリティの話題でよく登場する「 バッファーオーバーフロー 」。
「名前は聞いたことあるけど、何が危険なの?」「どうして起こるの?」と疑問に思った方も多いのでは?
今回は、バッファーオーバーフローの仕組みとリスク、そして対策について、初心者にもわかりやすく解説します。
バッファーオーバーフローとは?
バッファーオーバーフロー(Buffer Overflow)とは、プログラムが用意したメモリ領域(バッファ)に対して、許容量を超えるデータを書き込んでしまう現象です。
・例:10文字分の領域に、20文字のデータを入れようとすると、隣の領域まで侵食してしまう
・結果:プログラムが異常終了したり、悪意あるコードが実行される可能性がある
これは、開発時の入力チェック不足や、古い関数の使用などが原因で起こります。
バッファーオーバーフロー攻撃とは?
攻撃者はこの脆弱性を利用して、以下のようなことを行います。
・リターンアドレスの書き換え:本来の処理を乗っ取り、マルウェアなどを実行
・任意コードの挿入:OSやアプリの制御を奪う
・DoS攻撃の踏み台化:サーバを強制停止させる
特にC言語など、メモリ操作が自由な言語では、簡単なミスが致命的な脆弱性につながることがあります。
攻撃の種類
| 種類 | 対象領域 | 特徴 |
|---|---|---|
| スタック型 | 関数の一時領域 | リターンアドレスの書き換えが狙われる |
| ヒープ型 | 動的メモリ領域 | メモリ破壊やアプリの強制終了を狙う |
| 静的領域型 | グローバル変数など | ジャンプ先のアドレスを改ざんするケースも |
バッファーオーバーフローの対策
開発者側の対策
・入力値の長さを厳密にチェック
・危険な関数(gets, strcpyなど)を避ける
・セキュアなライブラリや言語を使用
・カナリア(Canary)などのメモリ保護技術を導入
利用者側の対策
・OSやアプリを常に最新に保つ
・セキュリティパッチを即時適用
・IDS/IPSやWAFなどの防御システムを導入
まとめ
バッファーオーバーフロー は、メモリの“あふれ”によって起こる深刻な脆弱性。
開発者のミスや古い設計が原因で、攻撃者にとって格好の標的になります。
しかし、正しい知識と対策があれば、未然に防ぐことが可能です。
「メモリの使い方ひとつで、セキュリティが変わる」——そんな意識が、安心なIT環境への第一歩です。
阿久梨絵でした!
