こんにちは、阿久梨絵です!
Windows パソコンの電源を入れてからデスクトップが表示されるまで——その裏で何が起きているか、知っていますか?
OSの“起動順”を可視化すると、UX設計・トラブル原因・パフォーマンス改善のヒントが見えてきます。
この記事では、 Windows の起動プロセスを分解・可視化しながら、設計思想と実用的な気づきを掘り下げます。
OSの起動順:ざっくり構造
起動プロセスは、以下のような段階で進行します。
1. BIOS/UEFI起動
2. ブートローダー(Windows Boot Manager)起動
3. カーネル読み込み(ntoskrnl.exe)
4. ドライバ・サービスの初期化
5. ログイン画面表示(Winlogon)
6. ユーザー環境の読み込み(Explorer.exeなど)
7. スタートアップアプリの起動
この流れを“見える化”することで、どこで遅延しているか/何が重いか/何が不要かがわかる
可視化すると見える“UXのボトルネック”
例:ログイン画面は速いのに、デスクトップ表示が遅い
→ 原因:スタートアップアプリが多すぎる/OneDrive同期/セキュリティソフトの初期化
例:BIOS画面が長い
→ 原因:USB機器の初期化/POSTエラー/古いUEFI設定
例:ログイン後に一瞬ブラックアウト
→ 原因:GPUドライバの再初期化/Explorer.exeの遅延
“起動順”を分解することで、体感速度と実際の処理のギャップが見えてくる
可視化ツール&方法
| ツール名 | 目的 | 備考 |
|---|---|---|
| Windows Event Viewer | 起動ログの確認 | Systemログで起動時間を分析 |
| BootRacer | 起動時間の分割測定 | 無料/スタートアップ分析も可 |
| Autoruns | スタートアップの詳細確認 | Microsoft公式/詳細すぎ注意 |
| Process Monitor | 起動時のプロセス挙動をリアルタイム追跡 | 上級者向け/ログ量多め |
BootRacer+Autorunsの組み合わせが“見た目でわかるUX診断”に最適
起動順=UXのテンポ設計
・起動プロセスは“読者が記事を読むまでの導線”と同じ
・どこで待たされるか?どこでテンポが崩れるか?を設計することで、“気持ちよく使えるOS”になる
・UI設計でも、初期表示・アニメーション・読み込み順は“起動順”と同じ思想で設計すべき
「速さ」ではなく“テンポ感”がUXを決める
まとめ
OS の起動順は、単なる技術プロセスではなく、UXの裏側にある設計思想の集合体。
それを可視化することで、パフォーマンス改善・トラブル解決・UI設計のヒントが得られます。
弊社では、こうした“見えないものを見える化するUX設計術”を今後も発信していきます。
阿久梨絵でした!
