こんにちは、阿久梨絵です!
商店のPOPや商品ラベルで「3ヶ入り」「5ヶセット」と書かれているのを見かけます。
この「 ヶ 」、実はカタカナの「ケ」ではなく、助数詞「箇」の略字。
でも、「個」と書けばいいのでは?──そんな疑問に、業界ごとの使い方から紐解いてみましょう。
「ヶ」の正体は「箇」の略字
「ヶ」は、漢字「箇(か)」や「个(こ)」の略字として使われてきました。
数量や地名などで使われ、「か」「が」「こ」と読むことがあります。
つまり、「3ヶ」は「3箇=3個」と同じ意味で、「さんか」と読みます。
地名では、
・三ヶ日(みっかび)
・八ヶ岳(やつがたけ)
・鶴ヶ城(つるがじょう/つるこじょう)
「ヶ」を使う業界・場面
| 業界・分野 | 用途 | 表記例 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 新聞・出版 | 地名・助数詞 | 八ヶ岳、3ヶ条 | 読売は「ヶ」、朝日・日経は「ケ」表記 |
| 小売・商店 | 商品数・セット数 | 3ヶ入り、5ヶセット | 手書きやスペースの都合で「ケ」と書かれることも多い |
| 公文書・行政 | 数量表記 | 6か月、3か所 | 算用数字と組み合わせる場合は「か」が推奨される |
| 地名・固有名詞 | 地名表記 | 市ヶ谷、茅ヶ崎 | 固有名詞として定着しているため「ヶ」が使われる |
なぜ「個」じゃないのか?
・「箇」は「個」の異体字で、意味はほぼ同じ
・「ヶ」は簡略化された記号的な表記として定着している
・地名や条文など、硬い印象を避けたい場面で使われることが多い
・手書きや印刷物では「個」よりも省スペースで視認性が高い
また、新聞社や出版社では表記ルールが社ごとに異なるため、「ケ」「ヶ」「か」などの使い分けが存在します。
UX的にはどう使い分ける?
| 表記 | 読み | 適した場面 | UX的メリット |
|---|---|---|---|
| 個 | こ | 正式文書・明確な数量 | 誤解がなく、誰でも理解できる |
| ヶ | か・が・こ | 地名・慣習的表記 | 親しみやすく、定着している |
| ケ | け(誤用) | 手書きPOP・簡易表記 | 見た目は通じるが意味的には不正確 |
まとめ
「 ヶ 」は、カタカナの「ケ」ではなく、助数詞「箇」の略字です。
業界や文脈によって使われ方が異なり、UX的には読み手の納得感を優先した表記選びが重要です。
「個」と書くことで誤解を防ぎ、「 ヶ 」を使うことで親しみやすさを演出する──
そんな“見えない配慮”が、伝わる表現をつくります。
阿久梨絵でした!
