【2025年版】企業で“ 専用線 ”はどれくらい使われている?──クラウド時代でも残る理由と最新動向

こんにちは、阿久梨絵です!
今どき、企業で 専用線 なんて使ってるの?
そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。
確かに、インターネットVPNやクラウド接続が主流になった今、専用線の存在感は以前より薄れているように見えます。
しかし実際には、特定の業種や用途では今も重要な通信インフラとして使われ続けているのです。

今回は、2025年時点での企業における専用線の利用状況とその背景を解説します。

専用線の市場規模と利用傾向(2025年)

IDC Japanの調査によると、国内イーサネット専用線市場は2024年時点で約714億円。
2029年には約858億円に拡大すると予測されており、年間平均成長率(CAGR)は3.7%と安定した成長を続けています。

つまり、専用線は“減っている”のではなく、“用途が変化しながら再評価されている”のです。

専用線が使われる主な理由

理由内容
高信頼性通信品質が安定し、遅延や切断が少ない
セキュリティ公衆インターネットを通らない閉域網で、情報漏洩リスクが低い
帯域保証大容量通信でも安定した速度を確保できる
法令・業界規制金融・医療などでは専用線が求められるケースも

特にAI・クラウド・データセンター間通信の需要が増加しており、専用線は“戦略的な通信インフラ”として再評価されている状況です。

どんな企業・業界で使われている?

金融機関・証券会社

・取引所との接続
・リアルタイム決済システム
・法令遵守のための閉域網構築

医療・製薬業界

・電子カルテ・画像診断データの転送
・医療機関間のセキュアな連携
・個人情報保護の観点から専用線が選ばれる

製造・物流・建設業

・拠点間の生産管理システム連携
・IoTデバイスからのリアルタイムデータ収集
・工場間の制御系通信

通信・クラウド事業者

・データセンター間の高速接続(100Gbps以上)
・AI学習環境の構築
・ハイパースケール通信の基盤整備

特にAI・生成AIの台頭により、データセンター間通信の需要が急増しており、専用線の役割が再び注目されています。

専用線 vs インターネットVPNの使い分け

項目専用線インターネットVPN
信頼性高い通信状況に左右される
セキュリティ高い(閉域網)暗号化で保護
コスト高め安価で導入しやすい
柔軟性拠点固定型モバイル・クラウドに強い
用途基幹系・制御系業務系・外部連携

多くの企業では、用途に応じて“併用”するハイブリッド型ネットワーク構成が主流になっています。

まとめ

2025年現在、企業での専用線利用は減少しているわけではなく、用途が変化しながら再評価されているのが実情です。

市場規模は安定成長中(2029年には858億円予測)
AI・クラウド・データセンター間通信で需要が拡大
金融・医療・製造などでは今も不可欠な通信手段
インターネットVPNとの併用が主流

専用線は、単なる“古い通信手段”ではなく、企業のデジタル戦略を支える“静かな主役”なのかもしれません。
阿久梨絵でした!

上部へスクロール
Verified by MonsterInsights