こんにちは、阿久梨絵です!
企業のシステム運用やWeb制作の現場では、ファイル転送の安全性がますます重要になっています。この記事では、よく使われる2つのセキュアな転送プロトコル「 FTPS 」と「SFTP」の違いを、技術的な背景から実務での選び方まで、わかりやすく解説します。
そもそもFTPSとSFTPって何?
| プロトコル | 正式名称 | 基盤技術 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| FTPS | FTP over SSL/TLS | FTP + SSL/TLS | レガシーFTP環境のセキュリティ強化 |
| SFTP | SSH File Transfer Protocol | SSH | モダンな安全転送・サーバ管理 |
技術的な違い
| 項目 | FTPS | SFTP |
|---|---|---|
| 暗号化方式 | SSL/TLS | SSH |
| 使用ポート | 21(制御)+動的ポート(データ) | 22(単一ポート) |
| 認証方法 | X.509証明書 / パスワード | 公開鍵 / パスワード |
| ファイアウォール対応 | やや複雑(複数ポート) | シンプル(単一ポート) |
| ディレクトリ操作 | FTPと同等 | より詳細な操作が可能 |
| 実装の容易さ | FTP環境があれば導入しやすい | SSH環境があればすぐ使える |
セキュリティ面の比較
・FTPSは既存のFTPに暗号化を追加したもので、部分的な暗号化(制御チャネルのみなど)も可能ですが、設定によっては安全性にばらつきが出ることがあります。
・SFTPはSSHをベースにしており、すべての通信が暗号化されるため、セキュリティ面では一貫性があります。
実務での選び方
| 利用シーン | 推奨プロトコル | 理由 |
|---|---|---|
| レガシーFTP環境を安全にしたい | FTPS | 既存の仕組みを活かしつつ暗号化できる |
| 新規構築・セキュリティ重視 | SFTP | SSHベースで一貫した安全性がある |
| ファイアウォール制限が厳しい | SFTP | 単一ポートで通信できるため設定が簡単 |
| クライアントがFTPSしか対応していない | FTPS | 互換性を優先する場合 |
まとめ
・FTPSは「 FTP の延長線上でセキュリティを強化したい」場合に有効。
・SFTPは「ゼロから安全な転送環境を構築したい」場合に最適。
どちらも一長一短ですが、セキュリティ・運用のシンプルさ・将来性を考えると、SFTPが現代的な選択肢として支持される傾向があります。
阿久梨絵でした!
