こんにちは、阿久梨絵です!
「誰でも業務アプリが作れる」
「現場主導で改善できる」
「エンジニア不要でスピード開発」
そんな希望を背負って導入された ノーコード /ローコードツール。
だが現場では、“自律性のはずが属人化”という逆転現象が起きている。
そして、教育コストと心理的安全性の設計不足が、静かなUX崩壊を招いている。
ノーコードのねじれ構造:なぜ属人化が再発するのか?
| 導入目的 | 現場で起きること | UX的リスク |
|---|---|---|
| 自律的改善 | 特定メンバーが独自ツールを量産 | 属人化/引き継ぎ不能な設計 |
| 教育コスト削減 | 操作は簡単だが設計思想が伝わらない | 「使えるけど理解できない」UXの断絶 |
| スピード重視 | 仕様書・設計書が省略される | 保守不能/心理的不安の増加 |
| 現場主導 | “この人しか分からない”状態が再発 | 自律性が属人化にすり替わる |
ノーコードがUXを壊す瞬間
・“作れる”と“設計できる”は違う
・操作は簡単でも、構造は複雑
・教育コストはゼロではなく“見えづらい”だけ
・属人化はExcelだけの問題ではない。ノーコードでも再発する
ノーコードは、設計思想と運用設計がなければ、むしろUXを不安定化させる。
UX視点で見るノーコード導入の再設計
UXとは、ユーザー体験だけでなく、運用者・保守者・引き継ぎ者の体験も含む。
ノーコード導入を成功させるには、以下の設計が不可欠
| 設計要素 | UX的視点 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| プロセスの可視化 | 業務フローと画面設計の一貫性 | 引き継ぎ可能な構造化UX |
| ドキュメントUX | 操作手順だけでなく“設計意図”を記述 | 属人化の予防/心理的安全性の向上 |
| 教育設計 | 初回体験・学習ガイド・FAQの設計 | 自律性の育成と安心感の提供 |
| 標準化とレビュー | “独自ツール”の乱立防止 | 全体最適と継承性の確保 |
まとめ
ノーコード は、民主化の道具であり、属人化の再発装置でもある。
それを分けるのは、UX設計と教育設計の有無だ。
「誰でも作れる」は、
誰でも理解できて、誰でも引き継げる設計があってこそ成立する。
ノーコードの本質は、
“作る自由”ではなく“使い続けられる安心”にある。
阿久梨絵でした!
