こんにちは、阿久梨絵です!
スマホのアプリやECサイトで「 期間限定ポイント 」が付与される機会、増えていませんか?
キャンペーンやログインボーナスでもらえるこのポイント、使える期間が短く、対象も限定されがち。
「どうせなら通常ポイントにしてくれればいいのに」と思ったことがある方も多いはずです。
でも実はこの“期間限定”という設計には、明確な目的と構造的な意図があります。
今回は、マーケティングとUX設計の視点からその理由を読み解きます。
目的①:ユーザーの“行動喚起”を狙う
期間限定ポイントは、「今すぐ使わなければ損」という心理を生み出します。
これはマーケティングでいう「希少性」と「緊急性」の設計。
・有効期限がある → 使うタイミングを意識させる
・対象が限定されている → 特定の商品やサービスに誘導できる
つまり、ユーザーの行動を“設計された方向”に誘導するための仕掛けなのです。
目的②:コスト管理と利益率の最適化
通常ポイントは、ほぼ現金同様に使えるため、企業側にとっては“負債”として計上されることもあります。
一方、期間限定ポイントは…
・有効期限が短い → 未使用のまま失効する可能性が高い
・使用範囲が限定 → 利益率の高い商品に誘導しやすい
結果として、企業側のコスト負担を抑えつつ、販促効果を最大化できるのです。
UX設計の視点から見る“期間限定”の意味
期間限定ポイントは、単なる販促ツールではなく、ユーザー体験を設計する要素でもあります。
| UX観点 | 通常ポイント | 期間限定ポイント |
|---|---|---|
| 安心感 | いつでも使える → 安定 | 今すぐ使う必要 → 行動喚起 |
| 自由度 | 汎用性が高い | 使用範囲が限定される |
| 記憶定着 | 忘れがち | 通知・期限で意識されやすい |
| 体験設計 | 長期的な信頼構築 | 短期的なアクション誘導 |
つまり、“使いやすさ”ではなく“動かしやすさ”を重視した設計が、期間限定ポイントの本質です。
なぜ通常ポイントにしないのか?
企業が期間限定ポイントを選ぶ理由は、以下のように整理できます。
・消化率のコントロール:失効リスクがあることで、コストを抑えられる
・販促の即効性:短期キャンペーンとの相性が良い
・行動設計の自由度:特定商品・期間・チャネルへの誘導が可能
・UXの“緊張感”設計:ユーザーに「今使う理由」を与えられる
通常ポイントではこれらの設計が難しく、“静的な報酬”になりがちです。
まとめ
期間限定ポイント は、ユーザーにとっては「もらえるもの」ですが、
企業にとっては「動かすための設計変数」です。
・通常ポイント → 信頼と継続性を支える
・期間限定ポイント → 行動と販促を加速させる
UX設計の観点では、報酬の“使いやすさ”よりも“使わせやすさ”が重視される場面があるということ。
この構造を理解することで、ユーザーとしても、設計者としても、より賢くポイントと付き合えるはずです。
阿久梨絵でした!
