こんにちは、阿久梨絵です!
秋分の日 が近づくと、「昼と夜がほぼ同じ長さになる日」として話題になります。
でも実はこの日付、毎年同じではありません。
2025年の秋分の日は9月23日ですが、過去には9月22日だった年もありました。
このズレの背景には、地球の公転周期と“うるう年”の調整が関係しています。
そしてこの“自然の揺らぎ”に合わせて、私たちのITシステムも静かに調整されているのです。
地球の「1年」は365日ではない
・地球が太陽を1周するのにかかる時間は約365.2422日
・この“0.2422日”のズレが毎年蓄積され、4年で約1日分になる
・そのため、4年に1回「うるう年」で1日追加して調整している
※0.2422日を分に換算すると、約348.77分(5時間48分46秒)
この調整がなければ、季節と暦が少しずつずれていき、
秋分の日が10月になってしまう未来もあり得るのです。
「1日=24時間」も、実はズレている
・地球の自転周期(恒星日)は約23時間56分4秒
・太陽が同じ位置に戻るまでの時間(太陽日)は24時間
・この約4分の差は、地球の自転と公転によって生まれる構造的なズレ
つまり、「1日」という単位も、自然と人間の折り合いで設計されたものなのです。
恒星日ってどうやって測るの?
基本の考え方
・地球が360度自転するのにかかる時間を測るには、太陽ではなく遠くの恒星を基準にします。
・ある恒星が南中(真上)した時刻を記録し、次に同じ恒星が南中するまでの時間を測定することで、地球の自転周期がわかります。
実際の測定方法
・天体望遠鏡を使って、恒星の南中時刻を高精度で記録
ITの世界では、このズレをどう扱っている?
1. うるう年の処理
・プログラムでは「4年に1回」だけでなく、100年・400年ルールも考慮する必要あり
・例:1900年はうるう年ではないが、2000年はうるう年
2. うるう秒の影響
・地球の自転速度の変化に合わせて、数年に1回「うるう秒」が追加される
・システムによっては、1秒の追加で障害が起きることも
・そのため、2035年までにうるう秒の廃止が予定されている
3. タイムスタンプの精度
・GPSや金融取引では、ナノ秒単位の時間管理が必要
・こうした分野では、地球の揺らぎを前提にした設計が求められる
UX的視点:時間は“揺らぎを受け入れる設計”である
私たちが使う「カレンダー」や「時計」は、
自然の不規則さを人間の生活リズムに合わせて整えるUX設計です。
秋分の日のような季節の節目は、
その“静かな調整”がいかに緻密で、構造的で、そして美しいかを思い出させてくれます。
まとめ
・ 秋分の日 は、地球の公転周期と暦の調整によって毎年変動する
・うるう年は、季節と暦のズレを整えるための“静かな習慣”
・ITの世界でも、時間の揺らぎを前提にした設計が求められている
・時間は「固定されたもの」ではなく、「調整され続ける構造」である
季節が静かにずれるように、テクノロジーもまた“揺らぎ”を受け入れて設計されている。
時間とは、自然と人間が折り合いをつけるための、最も静かなインターフェースなのかもしれません。
阿久梨絵でした!
