“エ”で始まる アルファベット が多い理由、知ってますか?

こんにちは、阿久梨絵です!
アルファベット を覚えるとき、「エム」「エル」「エス」など“エ”で始まる文字がやたら多く感じる──そんな違和感、ありませんか?
実はこれ、英語の音韻構造と日本語のカタカナ表記が交差することで生まれた、翻訳的なクセなんです。

この記事では、「エ」で始まるアルファベットの正体を、発音・表記・UXの観点から解き明かします。

なぜ「エ」で始まる読みが多いのか?

1. 英語のアルファベット名に「ɛ(エ)」が多い

英語のアルファベットの「名前読み(letter name)」には、母音「ɛ(エ)」で始まるものが複数あります。
日本語ではそれをカタカナで「エ◯◯」と表記するため、偏りが生まれます

以下は代表的な例をABC順に並べた一覧です。

アルファベット英語の発音日本語表記備考
A/eɪ/エー二重母音「eɪ」で始まる
F/ɛf/エフ母音「ɛ」で始まる
H/eɪtʃ/エッチ「eɪ」で始まり「tʃ」で終わる
L/ɛl/エル母音「ɛ」で始まる
M/ɛm/エム母音「ɛ」で始まる
N/ɛn/エヌ母音「ɛ」で始まる
S/ɛs/エス母音「ɛ」で始まる
X/ɛks/エックス「ɛ」で始まり「ks」で終わる

2. カタカナ表記が“母音先行型”になる

日本語では、子音単独の発音が難しいため、必ず母音とセットで表記されます。
英語の「F(/ɛf/)」は、母音「ɛ」が先に来るため「エフ」となります。
一方、「B(/biː/)」や「D(/diː/)」などは「ビー」「ディー」となり、「エ」で始まりません。

このように、英語の音韻構造 × 日本語の音韻制約が、「エ」で始まる表記を生み出しているのです。

3. 英語でも「エ」で始まる文字が多い

英語のアルファベット26文字のうち、約8文字が「ɛ」または「eɪ」で始まる発音を持ちます。
これは全体の約3分の1に相当し、構造的な偏りと言えます。

UX的な視点:なぜ気になるのか?

日本語でアルファベットを学ぶとき、「エム」「エル」「エス」などが連続すると、“エばっかり”に感じる
一方で「ビー」「シー」「ディー」などは母音「イー」系なので、音の印象が分散される
この偏りが、音響的な違和感や記憶の偏りとして認識されやすい

教育UXや音声UI設計でも、こうした音の偏りは記憶の定着や誤認識に影響を与える可能性があります。

まとめ

「エで始まる アルファベット が多い」という現象は、英語の発音構造と日本語の音韻体系が交差することで生まれた、言語間の翻訳的なクセとも言えます。
音の違和感に気づく感性は、UX設計や言語設計にも通じる鋭さです。

次にアルファベットを口にするとき、ぜひ「音の構造」を意識してみてください。
そこには、ただの文字以上の設計思想が潜んでいます。
阿久梨絵でした!

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