こんにちは、阿久梨絵です!
電気代の高騰が続く中、「今月どれくらい使ってるの?」という疑問に即座に答えてくれる仕組みが整ってきました。 東京電力 では、「くらしTEPCO web」というプラットフォームを通じて、電気・ガスの使用量や料金をネットで確認できるようになっています。
この記事では、その仕組みとUX的な観点からの評価、そして家計改善や業務効率化への応用までを掘り下げていきます。さらに今回は、スマートメーターがどのような通信を行っているのかという技術的な裏側にも迫ります。
仕組みの概要:スマートメーター × クラウド連携
東京電力の「見える化」は、以下の技術的要素で構成されています。
スマートメーターの導入
・従来のアナログ検針から脱却し、リアルタイムで電力使用量を計測・送信するデジタルメーター。
クラウド連携によるデータ蓄積
・使用量データは東京電力のクラウドサーバーに送られ、ユーザーごとに蓄積・分析される。
「くらしTEPCO web」への表示
・専用アカウントでログインすると、月別・週別・日別・時間帯別の使用量や料金予測がグラフで表示される。
LINEやチャットでも確認可能
・ID連携すれば、LINEのトーク画面でも使用量を確認できるなど、マルチチャネル対応が進んでいる。
スマートメーターの通信構造:AルートとBルート
Aルート通信(電力会社向け)
東京電力が使用量データを収集するための通信ルートで、以下の技術が使われています。
通信方式
・無線マルチホップ(920MHz帯):近隣メーター同士が中継
・携帯回線(3G/LTE):直接基地局と通信
・PLC(電力線通信):集合住宅などで有効
通信内容
・30分ごとの使用量データ
・遠隔開閉器の制御指令
・障害復旧や設定変更のコマンド
通信の流れ
・スマートメーター → コンセントレーター → HES(ヘッドエンド) → MDMS → 小売事業者
Bルート通信(家庭向け)
家庭内のHEMS(Home Energy Management System)と連携するための通信。
通信方式
・920MHz帯の無線通信(ECHONET Lite準拠)
通信内容
・家庭内の電力量データ
・太陽光発電の逆潮流情報
・時刻同期など
セキュリティと通信制御
・暗号化・認証:すべての通信は暗号化され、厳格な認証プロセスを経て送受信
・分散制御:使用量データの送信は時間を分散して行われ、ネットワーク負荷を平準化
・障害対応:通信途絶時は隣接メーターとの新経路を自動構築
UX観点からの評価:使いやすさと課題
良い点
・視覚的にわかりやすいグラフ表示
・契約プランの見直しに役立つ
・節電意識の促進
改善余地
・ログインや契約登録の導線がやや複雑
・通知機能のカスタマイズ性が弱い
活用アイデア:家庭・業務・制度改善へ
家庭での活用
・エアコンや冷蔵庫の設定温度を見直すきっかけに
・待機電力の削減やLED照明への切り替え判断に
業務での応用
・オフィスの電力ピーク時間を把握し、業務時間や機器稼働の最適化
・複数拠点の使用量を比較し、エネルギー管理のKPI化
制度・現場改善への示唆
・使用量データをもとに、契約アンペア数の見直しやプラン変更を促すUX設計
・高齢者やITリテラシーが低い層への紙ベースとのハイブリッド提供
まとめ
スマートメーターの通信は、単なるデータ送信ではなく、リアルタイム制御・セキュリティ・分散処理・障害対応まで含めた高度なインフラです。これにより、 東京電力 は2700万軒以上の家庭・事業所の電力使用を効率的に管理しています。
電気使用量の見える化は、生活や業務の質を高める「気づきの装置」。その裏側には、緻密な通信設計とUXへの配慮があることを、ぜひ知っておいてほしいと思います。
阿久梨絵でした!
